ミクちゃんツアー 香川編

〜お遍路気分でミラージュツアー

前 編




◆旅行日:2014年7月15日〜7月17日

◆行程:
※下線はミラージュスポット
※グレー文字は後編にて

◇7月15日:
成田空港→(ジェットスター)→高松空港→(リムジンバス)
→坂出駅前→(JR)→岡山駅→(徒歩)→セルフうどんいりこ(昼食)→(徒歩)→岡山城&後楽園→(徒歩)→岡山全日空ホテル(宿泊)

◇7月16日:
岡山全日空ホテル→(徒歩)→岡山駅→(JR)→観音寺駅→(タクシー)→雲辺寺ロープウェイ山麓駅→(ロープウェイ)→雲辺寺ロープウェイ山頂駅→(徒歩)→雲辺寺→(徒歩)→毘沙門天展望館→(徒歩)→スノーパーク雲辺寺(ユリ園)→(徒歩)→雲辺寺ロープウェイ山頂駅→(ロープウェイ)→雲辺寺ロープウェイ山麓駅
→(徒歩)→谷口バス停→(観音寺市のりあいバス)→財田川染川橋付近→(徒歩)→観音寺&神恵院→(徒歩)→琴弾廻廊(立ち寄り湯)→(徒歩)→観音寺駅→(JR)→栗林駅→(徒歩)→サンシャイン高松(宿泊)

◇7月17日:サンシャイン高松→(徒歩)→栗林駅→(JR)→高松駅→(徒歩)→高松駅前バス停→(ことでんバス)→根香口バス停→(徒歩)→根香寺→(徒歩)→根香口バス停→(ことでんバス)→高松駅前バス停→(徒歩)→誠うどん(昼食)→(徒歩)→栗林公園→(徒歩)→カフェグレコ(喫茶)→(徒歩)→栗林公園前バス停→(リムジンバス)→高松空港→(ジェットスター)→成田空港

◆同行者:パートナー


※このページの画像は、別サーバーに保存したものへ直リンクを貼って表示しています。表示されるまで時間がかかる場合があります。また、不具合を見つけた場合、管理人までご一報頂けますと、大変助かります。




またしても無料宿泊券を利用したミラツアで申し訳ないのですが、岡山全日空ホテルさんの宿泊券が当たりまして…。

岡山と言えば、岡山城に後楽園にぶどうと桃にきび団子。色々ありますが、海を渡ればすぐ四国、というのがミラージュファンとしての正しい?発想ではないかと。

というわけで、1泊は岡山全日空ホテルさんにお世話になり、ちらりと岡山城なんかを観光し、あとは瀬戸大橋を渡って香川県でミラツア!という旅を画策致しました。

岡山へ行くのにもちろん新幹線なんて使いませんよ。当然のごとくジェットスターで高松空港へ着地。写真は、空港内のお遍路さんの顔ハメ看板。今回の旅は、かなりお遍路な旅になる予定です。
香川県のミラツアと言うと、2013年12月に、坂出港と善通寺を回りましたが、まだ取りこぼしているスポットがあるんですよね。33巻で千秋が崇徳院の怨霊を鎮めようとした白峰御陵とその近辺、それから、『拝啓、足摺岬にて』でミクちゃんが訪れた根香寺と雲辺寺。全部は回れそうにないので、今回は根香寺と雲辺寺を選択。ミクちゃんツアーと相成りました。


朝7時に成田空港を発ち、8時30分に高松空港に到着。9時ちょうど発のリムジンバスに乗車。
バスがスムーズだったため、予定より数分早く、9時48分に坂出駅前に到着。


坂出駅もすっかりお馴染み感があります。
そして、ホームから見る、この讃岐富士の光景もすっかり見慣れた感が。
「瀬戸の花嫁」の発車メロディーを聞きながら、10時6分発の快速マリンライナーに乗車。


この日は、岡山に向かいます。岡山を観光して、岡山泊。ミラージュツアーは二日目から。一日目の模様は軽くご紹介しますが、飛ばしたい方はこちらをクリックして下さい。
坂出駅を出て数分後、瀬戸大橋が見えてきました。


坂出駅は、瀬戸大橋のわずかに東側ですが、線路は一旦西側に回り込んでいるため、この角度から見る形になります。


坂出港から瀬戸大橋を見た時は、逆向きだったのに、何か変な感覚ですが…。
瀬戸内海を渡り、本州に上陸。


写真ではわかりにくいですが、小高い山の上に、「ブラジルスキ?」で有名になった(?)地方遊園地「鷲羽山ハイランド」が見えます(モヤさま参照)。
10時48分、岡山駅着。


少し早いのですが、先にお昼ご飯を食べることに。
地下街「グルメアベニュー」にある「セルフうどん いりこ」にやって来ました。食べログで評判が良さそうでしたので。


11時の開店までまだ少し間があったようで、少し待ってから一番乗りで入店。
一番乗り…だったのですが、そのすぐ直後から常連っぽいサラリーマンが大挙して押し寄せ、勝手がわからずあたふたしてしまいましたが、何とか注文できました。人気のお店なんですね。


瀬戸内海を隔ててすぐということで、ほぼさぬきうどんと同じスタイルです。注文したのは、梅おろしぶっかけ450円とガラエビミックス天120円。梅ペーストの他に、梅の天ぷらが付いていました。しかし、思った以上に強烈に酸っぱい…。うどんはコシがあり、ガラエビも香ばしく、美味しく頂きました。
12時前、再び地上に出まして、岡山城を目指します。

この日はミラツアでもないし、綿密なスケジュールも立てておらず、気ままな旅です。

「桃太郎大通り」という、駅前から城下まで続く目抜き通りを歩いていると、道端に猿や雉の像が立っていました。そういや、岡山と言えば桃太郎、お土産はきびだんごですね。

そして、岡山も路面電車の街でした。


ミラツア部分ではありませんが、一応地図を載せておきますね。

駅からのんびり歩いて30分ほど。岡山城のある烏城公園に到着しました。


烏城というだけあって、黒々とした天守ですね…。
天守に登るには、ぐるりと反対側へ回ります。

こちらは廊下門。

苔むした石垣が良い感じですね。この石垣は、1620年代に築かれたものだそうです。

岡山城は戦災によって焼失したため、現在の天守は、戦後、鉄筋コンクリートで復元されたものです。
こちらは廊下門を潜った先にある不明門(あかずのもん)。


門を潜ったり、ぐるりと回り込んだりするアプローチが、非現実的な世界へと誘うようで、ちょっと面白い。夏休み前の平日なので、人もいないし、とても静かです。
門をふたつ潜って、登城口側へとやってきました。

天守のすぐ向こう側は、旭川を挟んで後楽園があります。

立派な天守なのですが、実物を見ると、強烈なハリボテ感が…。何でだろう、何かこう、のっぺりとしているからでしょうか。やたらとでかい舞台セットみたいな。
城内は、岡山城の歴史を紹介するパネルや資料が展示されています。


写真は、金シャチの向こうに後楽園を望んで。
梅雨明け後、夏休み前というのは、天候は安定している上、人出も少ないということで、旅行には絶好のタイミングなのですが、ぐっと気温も上がって暑いわけです。少し歩くだけで汗だくです。


岡山城の一階にある喫茶店でひと休み。注文したのは、白桃ソフト。色んなところでご当地ソフトを食べてきましたが、この白桃ソフトは大当たり。桃感がものすごい。甘さもしつこくないし、ぺろりと平らげてしまいました。
岡山城から出て、後楽園までやってきました。


広々として立派な庭園なのですが、如何せん暑いので、体力ばかり消耗します…。
後楽園から望む岡山城。


一周して、まあこんなもんかと、後にします。ミラツアでないと、いまいちテンションも上がりません…。


意外と水がきれいで、カワニナがたくさんいたのが印象的でした。
旭川に架かる橋を渡って、岡山駅の方へ戻ります。
16時過ぎ、岡山全日空ホテルに到着。


駅から通路で直結しており、非常に便利な立地です。
お部屋の内装もシックで良い雰囲気。


いつもオレらが泊まってる激安ビジネスホテルとは比べようもありません(笑)。
お部屋の窓からは、岡山駅を見下ろせます。


そう言えば、桑原先生、駅を行き交う人をホテルの窓から見るのが好きだとかどこかで書いていたような気がしますが…、あれはどこだったかな。
今回は、いつにも増して貧乏旅行です。

夕食も外食せずに、スーパーで出来合いのものを購入してホテルの部屋で食べることに。

でも、こうしてテーブルに並べてみると、ちょっと豪華に見えるから不思議。たまにはこんな旅も全然OK。

写真右下は、岡山名物のままかり寿司。
岡山駅のデザート店「パステル」で、岡山限定っぽいプリンを見つけたので買ってみました。なかなかの美味。


フルーツ王国の岡山ですからね。本当は、桃とか葡萄とか買って食べたかったけど、ちょっとした手土産並みの値段のものしか売ってなくて諦めました。駅中のスーパーだったので余計高かったのかもしれません。
万歩計のバーチャルお遍路は、現在、31番の竹林寺へと向かっているところです。竹林寺か…。直江に鮎川にフライドチキン…。


この日の歩数は16,333歩。
一夜明けまして、岡山全日空ホテルでの朝食です。当選したのは朝食(ビュッフェ)付きのプランでして、ありがたく頂きます。


小さいカレイの干物に、焼きナスに、ズッキーニの炒め物に、もずくに…。一品一品きちんと作られていて、どれも美味しかったです。左下のは、中華風のエビのせ蒸し物。中華のシェフがその場で作っていました。
デザートはきびだんご。


わざわざ買ってまでは食べないので、こういうところで食べられると嬉しい。
さて、二日目からはようやくミラージュツアー開始です。8時過ぎにホテルをチェックアウトし、8時41分岡山駅発の快速マリンライナーに乗車、瀬戸大橋を渡り、四国に再上陸します。

写真は、坂出の工業地帯。

前年(2013年)の四国ミラツアでは、坂出港と善通寺に行きましたけれども、今回はその続きのミクちゃんツアーになります。

香川県のミラスポットと言うと、耀変黙示録で千秋が崇徳院の怨霊を封じるために奮闘した白峰御陵やその周辺のスポットもあるのですが、それはまたいずれ。今回は、『拝啓、足摺岬にて』でミクちゃんと高耶さんが訪れた根香寺と雲辺寺を旅します。
作中の順番から言うと、根香寺の方が先なんですが、3日目に雲辺寺に行くと、帰りの飛行機の時間に間に合わなさそうなので、先に雲辺寺に行くことにしました。


途中、坂出駅と多度津駅で乗り換えて、10時23分に観音寺駅に到着。



観音寺市は、香川県の最西端に位置し、徳島県と愛媛県に接しています。目指す雲辺寺は、ちょうど徳島県との県境、雲辺寺山の山頂に位置し、標高は八十八ヶ所のうち最も高い911メートル。距離的に言えば、最寄り駅は、徳島県側の阿波池田や三縄といったところなのでしょうけれども、ロープウェイが香川県側にあるため、アクセスは観音寺駅からということになります。
ロープウェイがあるのはありがたいのですが、観音寺駅からロープウェイ山麓駅までのアクセス手段がありません。歩くとたぶん片道2時間半はかかるだろうという距離。観音寺市のコミュニティバス(のりあいバス)が市内を走っているので、山麓駅までは行かずとも極力近くまでバスで行くことはできますが、ありがちなことに本数が少ない…。時刻表を睨んで熟考した結果、行きはタクシーを利用し、帰りはロープウェイ山麓駅から「谷口」というバス停まで歩き、そこからコミュニティバスに乗らせてもらうことに決定。
観音寺駅周辺に戻った後、折角ですので、札所の観音寺&神恵院を参拝し、琴弾廻廊という日帰り温泉施設で汗を流すことに。

事前に、観音寺のタクシー会社「イロハタクシー」さんに電話で、駅前にタクシーが待機しているかどうかと、大よその所要時間&料金を問い合わせておきました。

教えてもらった通り、駅前には何台かタクシーが待機していたので、すぐに乗車。

「あの山の上に鉄塔がいくつかあって、あの辺りが雲辺寺なんだけど、今日は霞んでてよく見えないね」と運転手のおじさん。
晴れてはいるんですが、確かに山の方は少し薄雲がかかっています。

長閑な景色の中を走っていきます。

基本的に貧乏旅なので、なるべくタクシーは使わないのですが、今回はミラツアで二回目のタクシーです。一回目は、萩で、夜行バスの到着が遅れたため、スケジュールが押し、急遽止む無く利用したのでした。今回は、正真正銘、タクシーしか手段がないというお手上げ状態。あの山(←)まで歩くなんて、さすがに無理ですわ。
「遍路ころがし」とも言われる雲辺寺は、ミラージュツアーの中でも、かなり攻めづらい難所だと言えるでしょう。


車はやがて山道へ。
雲辺寺ロープウェイ山麓駅(写真は駅を背にして撮影)に到着。観音寺駅から約20分ほど、料金は3,280円でした。


この山麓駅でも標高260メートルありますので、そこそこの高さですね。
山麓駅の右側から、登山道が伸びています。ミクちゃんと高耶さんはこの登山道を登っていったのでしょう。


<六十六番雲辺寺という札所はなんと標高千メートル近いところにある。前はロープウェイで一気にあがれたらしいが、今は電力不足で停まっているため、つまりあたしたちは徒歩登山>(『拝啓、足摺岬にて』225ページ)
<足どりも重いあたしを仰木高耶は叱咤した。 「ほら。気合い入れろよ。上に行けばお接待があるから」>(『拝啓、足摺岬にて』225ページ)


私にも叱咤してくれる高耶さんがいれば、いくらでも山道を行きますが、いないのでロープウェイへ(笑)。
あ、お遍路さん。


雲辺寺は、気軽に行けるお寺ではないので、本格的なお遍路さん率が高いです。
山頂駅は遥か彼方。これを歩いて登るのは本当に大変そう。

ロープウェイは全長約2,600m、高低差約660mを、約7分で上っていきます。
山頂駅が見えてきました。
山頂駅の右手には、大きな毘沙門天立像。
山頂の気温は、23℃。


下界は暑かったのに、一気に爽やかな空気に包まれます。
タクシーの運転手さんが言っていた鉄塔が、目の高さに建っています。


さっきまで遥か遠くの山の上に見えていたのにあっと言う間です。
山頂駅を振り返って。


太陽光発電してるんだ…。でも、裏四国では晴れないから、やはり発電できませんね。


ここにもお遍路さんが。
山頂に着いた私たちを迎えてくれたのは、涼しげなブルーの紫陽花と…ん?何やら不思議な羅漢像たち?
一人ひとり個性があって、妙に人間臭い表情を浮かべています。


じっと見てると、何だか動き出しそう。
下界ではとっくに暑さで枯れ果てた紫陽花も、ここではまだまだ見頃。
ロープウェイの山頂駅から真っ直ぐ行くと、道がすぐ二股に分かれています。
正面には「おむかえ大師」の像。


左に下って行くと、雲辺寺。右へ行くと、展望台にもなっている毘沙門天立像やスキー場の方へと続いています。


先ずは、左の道を下って雲辺寺へ。
木漏れ日の坂道を下って行くと、ここにもいらっしゃいました、風変わりな羅漢さんたち。
背中掻いてるよ、この人(笑)。


左の人は、天上天下唯我独尊的なポーズで子豚?を抱いてるし。


表情も実に豊か。
一瞬、目を疑いたくなりましたが…、なんですかこれ。


ちっちゃいおじさん? ちっちゃいおじさんを抱っこしてるの? 一体何を表しているのか、凡人のオレには理解できません。
一体一体見ていて飽きません。


五百羅漢ですから、本当に五百体あるそうですよ。
更に、道なりに下って行きます。
下り切った辺りが、正式に雲辺寺の入口なのか、石碑が建っていました。


雲の辺りの寺と書いて雲辺寺。確かに。でも、歩き遍路さんたちは、かなりきついでしょうね。


雲辺寺は六十六番目の札所です。
石碑のすぐ先に、山門があります。

新しそうなので、最近の建立なのでしょう。↓の案内図にも載っていません(昔は、ロープウェイとは逆側の方に山門があったようです。最近はロープウェイで訪れる人が多いため、こちらに山門を建て替えたのかと思われます)。

この山門を潜り、階段を上って行った先に大師堂があります。


↑山門近くにあった案内図。イラストマップなので、実際とはだいぶ誤差があるようです。
さて、『拝啓、足摺岬にて』のミクちゃんですが、ここ雲辺寺に着いた頃は、成仏できない焦りで情緒不安定だったようですね。そのもやもやを解消してくれるきっかけとなったのが、「山の頂にあるお寺からの眺め」だったわけですが…、作中には境内のどこという記述はないので、場所が定かではないんですよね…。どこか眺望の開けた場所がないかどうか探しながら、取り敢えずは道なりに参拝することに。

山門を潜り、階段を上っていきます。
上った先は、ちょっとした広場になっていて、右手に鐘楼があり(写真には写っていません)、奥に大師堂があります。


周りを見回してみても、木々に囲まれていて、眺望らしき眺望はありません。
木立に囲まれた大師堂。
2014年は、四国八十八ヶ所創設千二百年に当たると言われています。


千二百年経った今でも、こんな辺鄙な山上の寺にまで足を運ぶお遍路さんがいて、弘法大師を慕う炎が絶えないというのは、思えばすごいことです。
大師堂の右脇から、細い石灯籠の道が延びていて、その緩い坂道を下りて行くと、本堂の方へ繋がっているようです。
ここにも満開の紫陽花が。
下りて行った先に、先ずは納経所。
その先に本堂や護摩堂があります(写真右手の方)。


それにしても、遍路装束の本格的なお遍路さんが多いですね。
こちらが本堂。

お遍路さんが多いので、読経も順番待ちです。私は横からそっとお賽銭だけ入れさせて頂き、合掌のみで失礼させて頂きました。
こちらは、本堂の少し先にある「おたのみなす」。

ナスは徒花(無駄な花)がないことと、音が「成す」に通じることから、願掛けの対象となっているようです。ブロンズ製のナスが置いてあり、腰掛けられるようになっています。

この辺りでも周りを見回してみましたが、眺望らしき眺望は皆無。お守りを買うついでに、納経所の方に聞いてみたところ、見晴らしが良いのは毘沙門天の展望館だよ、とのこと。
作中の表現によると「お寺からの眺め」とのことなので、境内のどこかに展望所のようなところがあるのかなと思っていたのですが、どうやら眺望が良いのはその毘沙門天立像の展望館だけらしいです。

と言うことは、ミクちゃんと高耶さんが剣山を望んだのは、その展望館から…と言うことでしょうか…。まあ、そういうことになりそうですね。

と言うわけで、さっきの石灯籠の道を戻ります。
不意に見つけた蝉の抜け殻に、夏を感じたり。
「雲辺寺」の石碑があった辺りまで戻ってきました。
右の木立の中の道を行くと、先刻の羅漢像の道で、ロープウェイ山頂駅へと続いています。


毘沙門天展望館へは、左の方の道を行きます。
その先は、更に二手に分かれていて、左へ行くと毘沙門天展望館、右へ行くと「スノーパーク雲辺寺」(スキー場)の方へと続いています。


実は、この季節、ゲレンデを利用して造られたユリ園を見学できるとのことなので、スキー場の方も後ほど行ってみることにします。
紫陽花に囲まれた気持ちの良い道を展望館の方へ。
一段高くなった場所に、その展望館があり、毘沙門天が聳え立っています。


どうやら、毘沙門天の足元の辺りが展望所になっているようですね。
展望館のすぐそばに、県境標識がありました。

こちら側は、「徳島県三好郡池田町」と書いてあります(現在は「徳島県三好市池田町」)。

この山の麓、吉野川が大きく東に折れているところにあるのが例の白地城ですね(2013年12月の四国ツアー参照)。
こちらには「香川県三豊郡大野原町」とあります(現在は「香川県観音寺市大野原町」)。


そして、ここがちょうど標高1,000メートルということらしいです。


県境に位置していますが、雲辺寺は一応、香川県の札所として数えられています。
展望館の中に入りました。


受付らしい窓口はありましたが、誰もおらず、特に入館料は要らないようです。


螺旋形のスロープで、上の展望所まで登っていきます。
最上階について、外に出ると…。おおー。さすがに高い。

手前右側に見える屋根は、先刻のロープウェイ山頂駅。眼下に見下ろすのは、観音寺市の街とその向こうの瀬戸内海です。ちょっと雲がかかっていますけど、それも裏四国っぽくて悪くないかも。

<「うわー……」 塞いでいた私も見事な眺望につい感動して、声を発してしまった。雲が低く覆い被さった四国の山々、眼下に見渡せる讃岐平野、こんなに登ってきたんだ。(略) 瀬戸内海も見渡せる。十日前に三途の川だと思って渡ってきた海は、深い緑色をして見えた。四国の外は晴れているらしく、海がきらきら光っている>(『拝啓、足摺岬にて』226ページ)
そして、ミクちゃんが見た剣山はと言うと…。


お! 遥か彼方に、微か〜に見えています。


望遠で撮るとこんな↓感じ。
中央に見える美しい三角形の頂が剣山のようです。ミクちゃんは、きれいな景色を見ているうちに、急に不安に駆られたのでした。

<遥か遠くまで幾重にも折り重なる山を見つめて、途方もない気分になってきた。「自信ないよ。あたし、ホントに成仏できるのかな」 (略) 「悪かった。早く成仏してくれなんて、急かしたりしたせいだな。大丈夫、オレはいつまででもつきあってやるから」「何ヵ月かかってもいい?」「ああ」「何年かかってもいい?」「ああ」「何十年でも?」「何十年でも何百年でもつきあってやる。おまえがイヤじゃなければ」 折り重なる四国の山並を背負うようにして立って、仰木高耶は腕を組み不遜そうに笑ってみせた>(『拝啓、足摺岬にて』227〜228ページ)

<視線を追っていくと南東の方角に、一際目立つ頭ひとつ飛び出した山の頂が見えた。この辺りでは一番高い山だ。しかも頂が光ってる? よくよく見ると、天使の輪の巨大版みたいなのが頂上の真上に浮いている。「もしかして、あれが剣山?」「よくわかるな」「うん。ってことは、あんたの本体はあそこにいるの?」 まあな、と仰木高耶は答えた。剣山はこの<裏四国>の聖地なのだという。八十八ヶ所の札所が生み出す四国結界を支える二つの山のひとつ。もうひとつは石鎚山。どちらも古くからの霊場らしい>(『拝啓、足摺岬にて』228ページ)

<「ここから挨拶でもしてやってくれ。オレも喜ぶ」 周りを見れば、他のお遍路さんたちも剣山の方角に手を合わせている。あたしは両手を口にあてて大きな声で叫んだ。「剣山の仰木高耶――ッ。あたし、きっと成仏するからねーっ!」>(『拝啓、足摺岬にて』229ページ)

あそこに高耶さんが居るのかと思って、剣山の山頂を望むと、何だか胸が熱くなってきます。「高耶さーん、雲辺寺に来たよー!」と、もちろん私も剣山に向かって叫びましたよ、心の中で。

こちらは南西の方角。


石鎚山が遠くに見えるはずですが…、こちらはちょうど雲がかかっていて、望遠レンズでも見えませんでした。
そうそう、剣山を望むこの展望台が毘沙門天立像の足元にあるっていうのも、なにがしかの縁を感じてしまいます。
無事、剣山を拝むことができて一安心したところで、ゲレンデにあるユリ園へ立ち寄ります。

ユリ園は一応有料らしいのですが、雲辺寺ロープウェイのチケットを見せると無料で入場することができます。

山頂レストランの建物の中を通り、ゲレンデの方へ。
山頂レストランを振り返って。


レストランの向こうには毘沙門天立像が見えています。
ゲレンデの斜面いっぱいに色とりどりのユリの花。


少しだけ時期が遅かったかな。それでも、とてもきれいです。山の上は風もさらりとして清々しいし。
遊歩道が整備されているので、少し散策。


下界から見上げた鉄塔がすぐ近くにあります。
雲辺寺はとても行きにくいお寺ですが、一度は来る価値のある場所ではないでしょうか。


遠いし、タクシーやロープウェイまで使わなきゃいけないし、相方はあまり乗り気じゃなかったんですが、なかなか好評でしたよ。ミラージュ抜きでも素敵なお寺だと思います。
帰りもロープウェイで山麓駅へ。

「いりこ」の漁場として有名な「伊吹島」が見えるとアテンダントのお姉さんが説明していました。確かにうっすらと島影が見えます。

時刻は13時ちょっと過ぎ。2時間近く山頂に居たことになります。いりこと言えば、もちろん讃岐うどん…ですよね。お腹空いた。
山麓駅にあった温度計を見ると、30℃ですよ。


でも、ここでもまだ標高は高い方ですから、本当の下界と比べると、雲辺寺とは10℃くらい温度差があるかもしれません。
行きに撮り忘れた、雲辺寺ロープウェイの山麓駅。
山麓駅周辺には、土産物屋さんなどのお店がいくつかあります。


私たちは、その中の一軒「雲海亭」で昼食を食べることに。
お食事処と名が付いていますが、要はうどん屋さんです。

暑い時に、冷たい讃岐うどんをツルツルっと頂くのは、正に至福。

こちらは、私が注文した冷たい山菜うどん、450円。
相方の注文したざるうどん、400円。


こちらは冷たさが少し足りなかったそうですが、うどんは腰があって美味しいうどんです。


この辺で一旦区切りまして、続きは後編にて。

2015.07.06 up

ミクちゃんツアー香川編 後編 →







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