ミクちゃんツアー 香川編

〜お遍路気分でミラージュツアー

後 編




◆旅行日:2014年7月15日〜7月17日

◆行程:
※下線はミラージュスポット
※グレー文字は前編にて

◇7月15日:
成田空港→(ジェットスター)→高松空港→(リムジンバス)→坂出駅前→(JR)→岡山駅→(徒歩)→セルフうどんいりこ(昼食)→(徒歩)→岡山城&後楽園→(徒歩)→岡山全日空ホテル(宿泊)

◇7月16日:
岡山全日空ホテル→(徒歩)→岡山駅→(JR)→観音寺駅→(タクシー)→雲辺寺ロープウェイ山麓駅→(ロープウェイ)→雲辺寺ロープウェイ山頂駅→(徒歩)→雲辺寺→(徒歩)→毘沙門天展望館→(徒歩)→スノーパーク雲辺寺(ユリ園)→(徒歩)→雲辺寺ロープウェイ山頂駅→(ロープウェイ)→雲辺寺ロープウェイ山麓駅
→(徒歩)→谷口バス停→(観音寺市のりあいバス)→財田川染川橋付近→(徒歩)→観音寺&神恵院→(徒歩)→琴弾廻廊(立ち寄り湯)→(徒歩)→観音寺駅→(JR)→栗林駅→(徒歩)→サンシャイン高松(宿泊)

◇7月17日:サンシャイン高松→(徒歩)→栗林駅→(JR)→高松駅→(徒歩)→高松駅前バス停→(ことでんバス)→根香口バス停→(徒歩)→根香寺→(徒歩)→根香口バス停→(ことでんバス)→高松駅前バス停→(徒歩)→誠うどん(昼食)→(徒歩)→栗林公園→(徒歩)→カフェグレコ(喫茶)→(徒歩)→栗林公園前バス停→(リムジンバス)→高松空港→(ジェットスター)→成田空港

◆同行者:パートナー


※このページの画像は、別サーバーに保存したものへ直リンクを貼って表示しています。表示されるまで時間がかかる場合があります。また、不具合を見つけた場合、管理人までご一報頂けますと、大変助かります。




次のミラツア部分(根香寺)まで飛ばしたい方はこちらをクリックして下さい。

さて、腹ごしらえも済んだところで、時刻は13時40分頃。帰路はタクシーではなく、コミュニティバスを利用しますので、最寄の「谷口」というバス停まで歩きます。

「バス停まで歩く」とさらりと言いますが、実は4km弱の道のり。

基本下りではありますが、山道であることを考え、予定では山麓駅14時発、コミュニティバスの「谷口」バス停15時25分発というかなり余裕をもった計画です。実際の出発はもう少し早かったですし、充分間に合うでしょう。
道はちゃんと舗装された道路ですが、歩行者はおろか車もほとんど通らず、もう少しで植物たちに占拠されそうな山道です。


途中、「遍路道」の案内板があることも(私たちはこの遍路道は通っていません)。
さぬきうどんに隠れたもうひとつの香川名物、溜池。

前出の観音寺市の地図を見て頂いてもよくわかりますが、香川県には実にたくさんの溜池が点在しています。雨が少ないから農業用水として溜池が必要なんですね。

さぬきうどんという食文化が発展したのも、雨が少ない香川県は稲作よりも小麦栽培の方が向いていたからという理由があるらしいです。
道端で…カミキリムシを発見。


久しぶりに見ましたよ、カミキリムシ。
農地や民家が見え始めました。


しかし、本当にこの道で大丈夫なんだろうかと不安になるような田舎道です。
人は一向に見かけませんが、牛さんはいました。


挨拶をして通り過ぎます。
結局、ロープウェイの山麓駅を出発してから、とぼとぼ歩いて約1時間20分。ようやく集落に辿り着きました。「谷口」バス停は、写真の橋を渡ったところにあります。

ネット上の地図で計った所要時間は47分だったんですけどね…。市街地じゃない場所の所要時間なんてまったく当てになりません(オレがとろとろ歩いたせいもあるでしょうが…)。

因みに、観音寺市のコミュニティバスはいくつかのルートがあり、距離的に、この「谷口」バス停よりも近いバス停は他にもあります。ただ、運行本数が少ないため、時間的に合うのがこちらだったというわけです。
コミュニティバスが走っているところまで歩くとか、まるで「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」のような様相ですが、バスは定刻通り、15時25分に出発。いやあ、ほんと、コミュニティバスという存在に感謝です。

しかも、乗車料金は大人1回100円。主に、車を運転しないお年寄りのために市営で運行しているのだろうと思われますが、市民じゃなくてももちろん利用OK。ありがたい限りです。
のんびり走るのりあいバスに揺られること約30分。


気づけば、雲辺寺山はもうあんなに遠く。頂上の鉄塔がうっすらと見えます。
観音寺駅で降りて、そこから琴弾廻廊(立ち寄り湯)まで歩いて行く予定でしたが、運転手さんにそう告げたところ、ルート上では駅より少し手前の財田川近くで降ろしてくれました。

時刻は16時10分。

写真は、財田川の河口方向を向いて。目指す琴弾廻廊は、川向こうのちょうど河口辺り。その手前にある小高い山が琴弾山(ことひきやま)で、その中腹に観音寺と神恵院という二つの札所があります。折角「観音寺」に来たのですから、その名の札所にもお参りしていくことに。
八十八ヶ所の中で唯一、二つの札所が同じ境内にあるのが、こちらの六十八番・神恵院と六十九番・観音寺です。


ここでも八十八ヶ所開創1200年を盛大に宣伝して?いらっしゃいます。
境内案内図。


二つのお寺が隣接している…というよりも、混在しているといった感じですね。
1200年を祝う幟で飾られた階段を上っていきます。
写真奥の建物が六十八番神恵院の大師堂、手前が六十九番観音寺の大師堂。


一応、順番にお参りしました。
細い参道を戻り、琴弾廻廊へと向かいます。


商店などもない寂しい参道ですが、古い家並みがなかなかの風情です。
財田川沿いの道に戻ると、「琴弾八幡宮」の立派な鳥居がありました。

こちらはお参りしませんが、本殿は378段の階段を上った先、琴弾山の頂上にあるそうです。

明治の神仏分離より前は、こちらにあった「琴弾山神恵院」が68番札所だったんだそうです。
17時ちょっと前、札所の観音寺から徒歩30分ほどで、日帰り温泉施設の琴弾廻廊に到着。

海辺にある割にはそれほど絶景というわけでもないんですが、色んな種類のお風呂があって、快適な温泉施設です。

若干ハードなミラージュツアーの一日の締めくくりとしては文句なしですね。
汗を流した後は、お決まりのご当地アイス。

こちらは「瀬戸内レモンアイス」。他にも何種類かあったんですが、二人ともこれにしたくて(通常はこういう場合被らないようにするんですが)、同じものを注文。

個人的にはもっと酸味がきつくても良かったんですが、さっぱりとしていてなかなか美味しかったです。
時刻は、18時24分。陽が長いのがありがたいです。

夕涼みの風情で、財田川沿いを歩いていると、川の向こうに雲辺寺山が。

昼間にはあの山の頂に居たなんて、何となく不思議な感じがします。
橋を渡って、観音寺駅の方へ。


広々とした財田川の河口の夕焼けは、ちょっとした絶景。
小さな公園に、「寛永通宝」のオブジェを発見。

観音寺市には、「銭形砂絵」という、寛永通宝を模した巨大な砂絵がありまして、有名な観光スポットになっているそうです。

今回は時間が無くて行きませんでしたが、さっきの琴弾山の山頂から見ることができるらしいです。
琴弾廻廊からゆっくり歩いて約40分。観音寺駅に戻って参りました。


そう言えば、ここも行きに写真撮るの忘れてました。すぐにタクシーに乗ってしまったんですよね…。この時間でも、タクシーがずらりと待機しています。バスがほとんどないからでしょうね。
観音寺駅19時25分発の予讃線に乗りまして、途中高松駅で乗り換え、高徳線の栗林駅に21時8分到着。


この日の宿は、その栗林駅のすぐ傍にある「サンシャイン高松」です(写真右の建物)。
先ずはチェックインしまして、この時間に至ってもまだ夕飯を食べていないわけですが、この日もスーパーのお惣菜大会を開催します。ホテルのすぐ隣にスーパーがあることも下調べ済み。


しかし、昨日の全日空ホテルさんと比べると、えらい違いようだな…。もちろんこちらは、シングルの2名利用で1室5,250円(楽天トラベルにて500円クーポン利用)という安さですから、充分納得ですけど。
太巻きとか、エビチリとか、あじのタタキとか、白菜漬けとか。シングルルームに1脚だけ置いてある椅子がテーブル代わり。

豪華ではないけれども、こじんまりとしたホテルの部屋で、心地よい疲労感で、地方局の番組でも観ながら頂くささやかな夕食というのも、また悪くないものです。

相方は、もし出張とかでこんな日が続いたら気が滅入るな…なんて言っていましたが(笑)。
バーチャルお遍路は、結構進みまして、現在33番の雪蹊寺へ向かっているところです。


雪蹊寺か。2013年に行きましたが、長秀が襲撃したところですね。


各日の歩数は最後に記載します。
旅の三日目。

朝7時ごろチェックアウトしまして、7時26分栗林駅発の電車で先ずは高松駅まで出ます。

写真は、栗林駅のホーム。宿泊したホテル・サンシャイン高松は目と鼻の先。
7時35分、高松駅着。

この日は、相方とは別行動です。

私は高松駅前7時55分発の11系統のバスに乗り、根香寺へと向かいます。


根香寺最寄りのバス停「根香口」までは、高松駅から30分ほどの距離。最寄りと言っても、前日の雲辺寺同様、相当歩くわけですが…。根香寺のある、この「五色台」周辺には、白峯寺、白峰御陵、青海神社等、33巻で長秀が崇徳院の怨霊を鎮めようと奮闘した場所がありますが、今回はそこまで時間がないので、また次回にします。

県道16号沿いにある「根香口」バス停から、根香寺まで。オレンジ色の線が今回歩いた道のり。


バス停で下車した後、少し先の交差点を左折。小中学校を右手に見ながら直進し、交差点を過ぎて、つづら折りの県道180号をひたすら登っていきます。


実は、地図上で検索すると、遍路道らしき道のりが表示されまして、そちらの方が近道になるので、そちらを歩く予定でいたのですが、山道に差し掛かる信号の辺りで急に不安になり、庭仕事をしていた民家のおばあちゃんに聞いてみたところ、遍路道もあるにはあるけど、自動車道を行くといいよと言われ、その通りにすることに。

お遍路さん?と聞かれたんですが、いえいえ、ただの観光ですと答えておきました。もちろんお遍路じゃないんですが、ただの観光で根香寺まで歩いて登ろうという人は…そうそういないでしょう。でも、オレの頭は、以前高松空港で買った「同行二人タオル」で頬かむり状態(日除けと汗拭いのため。相当熱いので)。気分だけはお遍路さんです。

時刻表より数分遅れて、8時25分頃、根香口バス停に到着。

写真は、根香口バス停を下りた直後の県道16号。このすぐ先を左折します。

事前に地図上で所要時間を計ったところ、バス停から根香寺までは、43分という表示(近道の遍路道を通った場合)。山道では当てにならないことは承知なので、片道1時間半ずつ、根香寺での拝観時間は30分と見込んで、帰りは12時33分発のバスに乗る予定です。
小中学校の脇を、山に向けて進んでいきます。

なんか…デジャヴ? 山の感じが前日の雲辺寺と似ている…。もっとも、あちらは標高1,000メートル、こちらの五色台は標高400m前後と、倍以上違いますが。

前日は歩いて登りませんでしたが、この日は標高365mの所に位置する根香寺まで(標高差300メートル強)、自分の足で登って降りて来なくてはなりません。

次第に坂道になってきました。


おばあちゃんに道を聞いたというのは、この少し先です。
信号を渡った後。いよいよ山道に差し掛かります。


舗装された自動車道を歩くのは味気ない感じもするのですが、一人ですし、今回は安全第一ということで。歩いている途中、実際に遍路道らしき脇道を見かけたのですが、とても進む勇気を持てなさそうな獣道でした。地元の方の言うことは聞いておいて正解です。
あまり車も通らない自動車道なので、歩きやすいと言えば歩きやすいのですが、案外日陰が少なく…。


既に汗だく。旅先で熱中症なんてシャレにならないので、こまめな水分補給を心がけます。500mlのサーモス水筒と、それとは別に500mlのペットボトルを完備。
なんか、鉄腕DASHで見たことのあるもの発見。


果樹園でもあった(orある)のでしょうか。
バス停から歩き始めて20分ちょっと。

早くもそこそこの高さまで登ってきたようです。先刻すぐ脇を通ってきた学校の校舎が見下ろせます(画面左の方)。

右奥の方には、平たい屋根の形の「屋島」が望めます。
くねくねと曲がる県道180号をひたすら歩きます。
車もたまにしか通らないので、植物がせり出してきていますね。


日陰ができているとありがたい。
途中、お遍路さん向きの宿がありました。


高松の市街地の夜景がきれいに見えるそうですよ。
バス停から歩いて40分余り、最後のU字カーブに差し掛かりました。
歩き始めて1時間10分、不意に絶景が出現。


山道を登りながら、不思議なことにどこかのスタジアムの声援が妙によく聞こえてくるんですよ。麓にスタジアム(写真左端、ちょうど見切れている辺り)があったようですが、そんなに至近距離というほどでもないのに、かなりはっきりとした声援が響いていて…。人の声ってたくさん集まると意外と遠くまで聞こえるものなんですね。
山道はまだ続きます。


<遍路を始めた私たちが目指すのは、最寄りの第八十二番札所・根香寺。五色台にある青峰って山の上にあるらしい。(略) 木立に囲まれた林道を歩きながら、仰木高耶は不思議そうにあたしを見た。「けど変だよな。あんたは怨霊でもないし、強い未練があるようにも見えないのに、なぜ成仏できないんだろう」(略) 林道を時折あがってくる車は必ず私たちをよけていく>(『拝啓、足摺岬にて』212〜213ページ)
坂出港で分身の高耶さんと出会ったミクちゃんが最初に向かったお寺が根香寺でした。

しかし、車が通っていた道を歩いていたということは、二人もきっとこの県道180号を歩いていたんですね。最初だし、歩きやすい道をわざと選んでくれたのかな、高耶さん。




野生のユリがところどころで咲いていて、癒されます

コオニユリでしょうか。
歩き始めて1時間20分。


この道を真っ直ぐ行くと白峯寺、左へ曲がると根香寺です。
このカーブを曲がるとすぐ右手が根香寺です。


ここにも、1200周年の幟が出ていますね。
バス停から1時間25分。ようやく根香寺の門前に到着。

予定より遠回りの自動車道を歩いてきたわけですが、まさか本当に1時間半かかるとは。

<最初に辿り着いたお寺は根香寺っていう、鬱蒼とした山の中にある結構立派なお寺で、駐車場には変な怪獣の像がある>(『拝啓、足摺岬にて』214ページ)

山門に向かって左手の方が駐車場になっています。写真左の木々の下に白い案内板が見えますが、怪獣の像(笑)は、その案内板のすぐ上。
ありました、ありました。こんな感じ。

<「牛鬼」っていう怪獣でこの辺の伝説らしい。戦隊モノに出てくる怪人みたいで、かわいいけど、なんかメチャクチャ浮いている>(『拝啓、足摺岬にて』214ページ)

「浮いている」というミクちゃんの感想、なんかよくわかる(笑)。静かな山中のお寺にちょっと不釣合いというか、不謹慎ささえ漂わせているこの面白フォルムは一体…。でも、どこか憎めない可愛らしさもありますね。
<「似てねーな」 と仰木高耶がぽつりと言った。ん? この人見たことあるの?>(『拝啓、足摺岬にて』214ページ)


ミラージュでの「牛鬼」は、熊のような毛むくじゃらの生き物という設定でした。似てないですが、人間にとって「化け物」のような存在であることは変わりないのでしょう。ミホちゃんのこと、その一族のこと、“遍路”のこと…。高耶さん、色々思うところがあったでしょうね。

根香寺と周辺の地図です。参考までに。

<「お疲れさまです、初めてさん、ですか」 山門にいた若い男の人が声をかけてきた。あたしたちと同じ霊だけど、時代劇のお百姓さんみたいな恰好してる>(『拝啓、足摺岬にて』214ページ)

この山門で出迎えてくれたのは、赤鯨衆の遍路方・馬淵でした。彼が高耶さんのことを「今空海様」と呼ぶのを聞き、ミクちゃんが尋ねると、「便宜上の役名みたいなもん」だと高耶さんははぐらかしたのでした。

今空海か。そう崇める皆の気持ちもよくわかりますが、その呼び名はちょっと悲しくもあります…。高耶さんはそんなもの微塵も求めていないんだろうな、と。
あ、ここにもお遍路さん。


車で巡っていらっしゃるようですね。歩いてくる道々、何台か車とすれ違いました。因みに、歩いている人は一人も見かけませんでした…。
仁王門の向こうは、緑が生い茂っていて、何やら涼しげです。
<「とりあえず、お参りの作法教えるから。般若心経は頑張ってすらすら読めるようになること。来いよ。ここの甘露水は旨いんだ」 仰木高耶は石段を下り始めた>(『拝啓、足摺岬にて』216ページ)

<石段を一旦下りてあがったところに本堂がある>(『拝啓、足摺岬にて』217ページ)


なるほど、確かに一旦下りてから、また上るようになっています。
緑の木々はもみじです。秋には紅葉がさぞ美しいでしょうね。
趣のある石段を上っていくと…
納経所があり、お守りなんかも売っています。


その先の石段を更に上がったところに本堂があります。
こちらが本堂。


<回廊形式の本堂で、ちょっと変わっているのだと仰木高耶は言った>(『拝啓、足摺岬にて』217ページ)
ふむふむ、確かに回廊になっています。

写真ではよくわからないかもしれませんが、写真左の方が本堂の入口で、回廊を巡って、正面の本堂(写真奥)の方へ出るようになっており、再びコの字型の回廊を巡って写真右の方の出口から出てくる、ということらしいです。
本堂入口。


中は薄暗くて、「万体観音」と呼ばれる、全国の信者の方々が奉納した、三万体余りもの小さな木彫りの観音様がずらりと並び、厳かな雰囲気。
本堂の前から、回廊の入口を向いて。
参拝して、再び回廊の入口に戻って来ました。


写真は、回廊の入口付近から本堂を向いて。
こちらは大師堂。納経所の向かい側にあります。

<「いいか。遍路は必ず本堂と大師堂にお参りするんだ。大師堂の大師は弘法大師。知ってるか、弘法大師・空海」 (略) 「この四国八十八ヶ所巡りは弘法大師が創ったんだ。同行二人って言って遍路は大師と一緒に歩くと言われてる。大師を敬って必ず挨拶するんだ>(『拝啓、足摺岬にて』217ページ)

私もお大師様にご挨拶しました。
別にお遍路じゃないんですけどね…、二日間続けて山深い札所を巡っていると、何となく、本当にお遍路でもしているような気分になってきます。

まあ、歩いてこんなところまで来るなんて、傍から見たらお遍路以外の何ものでもないでしょうね。

ミラツアもある意味、お遍路ってことかもしれません。
参拝を終え、階段を下りて帰ります。


ところで、高耶さんが旨いと言っていた「甘露水」ですが、どこかに湧き水でもあるのかなと思っていたのですが、見当たらず。


水があったのは、参道の途中の「水かけ地蔵」(写真右の方)のところだけ。
こちらが、その水かけ地蔵さん。

傍らにかけるための水がありますが、飲めそうなものでもなく…。

どこか別のところに清水でも湧いてるのか、昔はあったのか。よくわかりません。
仁王門のところまで戻って来ました。
<「ねえ、ここ歩いてれば、あたし、ホントに成仏できるの!」 仁王門をサクサクと歩いていく仰木高耶に追いすがって、あたしは叫んだ>(『拝啓、足摺岬にて』217ページ)


高耶さんがサクサク歩いていったという仁王門を内側から。
10時34分、無事拝観終了。拝観時間は45分ほどでした。意外とかかりましたね。


今回のミラツアのミッションもこれにて無事終了です。
山門近くにあるお手洗いを借りまして、水筒の中身を補充して、朝食を食べてなかったので、座ってパンでも食べようかと思ったのですが、あまり食欲もなく、歩きながら気が向いたら食べることに。
10時40分、根香寺を出発。


もと来た自動車道を下って行きます。
自動車道から分岐した山道。


どうやら遍路道のようです。
木の枝に「遍路道」の札がかけられていました。


この道は行けそうな気もしますが、先がわからないので、大事を取ってやはり自動車道を下って行きます。
道々、視線を感じて振り向くと、どうやらカラスに追いかけられているようでした。私が振り向くと、知らん顔するのですが、少し離れると跡をつけて飛んできます。何だろう?と思ったら、どうやら手に持っていたパンが目当てだったようで。カラスってほんと頭がいい。悪いことしたかな…。
往復する間、尻尾の青いトカゲにも何度か遭遇しました。ニホントカゲの幼体だそうです。元気に道端をうろちょろする子もいれば、道の真ん中でかわいそうに車に轢かれてしまっている子もいました。

凛と頭をもたげたまま、体を潰されて死んでいるその姿に、涙が出てくる思いで…。このトカゲに生まれてきた子は、一体どういう意味を持って生まれてきて、どういう思いで死んでいったのだろう…なんて考えてみても、そんな意味だの思いだのあるはずもなく。だから、そんな風に小さな生き物に自分を投影したり、思いを寄せたりすることは本当は無意味なことなのかもしれないと思ったり。そもそも意味なんてないのは人も同じかもしれないけれど…。
お遍路の真似事をしていたからでしょうか。山道を下りながら色々なことを考えてしまいました。でももちろん、何が正しいかなんて答えが出るはずもなく。

生まれ生まれ生まれ生まれて生の始めに暗く、死に死に死に死んで死の終わりに冥し。

という空海の言葉がふと頭をよぎりました。確かにね、どんなに科学技術が発達しても、この世の理は謎のまま。だからこそ、今なおたくさんの人々がお大師様とともに遍路道を歩むのかもしれません。

写真は下りて来た山を振り返って。
さて、無事山を下りてきました。根香口のバス停に到着したのは、11時55分。復路は1時間15分かかったことになります。


バスは12時33分発なので、かなり時間がありますが、ちょうど自販機もあることですし、元気が出そうな飲み物でも飲みながら待つことに。
13時頃、高松駅に到着。

相方とは、昼食を食べるうどん屋さんの前で待ち合わせ。

栗林公園近くにあるそのうどん屋さんまで、徒歩で30分くらい。景色の良い田舎道より、街中を歩く方がなんとなくこたえます。
へとへとで辿り着いた「誠うどん」。
体力消耗し過ぎて、かえって食欲が出ず、シンプルな「おろしうどん」350円を注文。


レモンを絞ってさっぱりと頂く、冷たいさぬきうどんは最高です。
こちらは相方が注文した「天ざる」600円。


関東でうどん屋に入るのが馬鹿馬鹿しくなるような安さ。
昼食を食べ終え、14時24分、栗林公園へとやって来ました。


高松と言えば、やはり栗林公園。初日の後楽園に引き続き、庭園巡りの旅です。
しかし、暑い。暑いです。水辺があるんですが、あまりに暑すぎて水をみても余計蒸し返すような暑さを感じます。


向こう岸では、クサガメちゃんが甲羅干しをしています。
モヤさま2で、さまぁ〜ずさんたちが乗っていた船に私たちも乗ることに。
乗船客はあまりいないようで、小さい船は貸しきり状態。


船頭さんは、丁寧に庭園の説明をしてくれました。
栗林公園は、16世紀後半、当時の豪族によって築庭されたことに始まり、江戸時代には歴代藩主が改修を重ね、高松藩別邸として使われていたものだそうです。


庭園の造りは、道教の神仙蓬莱思想を表しているそうですが、どことなく別天地にでも迷い込んだような趣があります。高松の市街地にあることを忘れてしまいそうです。
「栗林公園」という名ですが、栗の木は無いそうです。有名なのは松の木らしいですね。枝振りの立派な松がたくさんありました。
池の中に、見慣れぬ魚の姿を発見。


外来魚っぽいなーと思いつつ、後で調べてみたら、よく言う雷魚(ライギョ、=カムルチー)というのがこれらしいです。
栗林公園の券売所を出てすぐのところにある「かがわ物産館栗林庵」というお土産屋さんは、品物が豊富で、なかなか趣味の良いものが多く、おすすめです。


帰りの飛行機の時間まで、特に予定もなかったため、こちらでゆっくりお買い物(もっと時間があれば、立ち寄り湯にでも行くつもりでしたが、そこまでの時間は無く…)。
またかよ、というくらい水分補給が多いですね、今回。でも、熱中症になる前に意識的に摂取しておかねば。


栗林庵で買った香川県産の麦茶と、オリーブコーラ。オリーブコーラなんて意外ですが、オリーブの味はほとんど感じませんでした。
中途半端に時間が余っていたので、近くのアーケード街にやって来ました。
時間つぶしに選んだのは、カフェ グレコというお店。


キンシオさんが好きそうな純喫茶です。
この時は、二人とも疲労感からか、甘いものが食べたくなり、注文したのが、こちらの二種類のパフェ。チョコレートパフェ(左)とフルーツパフェ(右)、どちらも600円。


安い上に、恐ろしいほどのボリュームです。普段なら途中で気分が悪くなりそうですが、最後まで美味しくぺろりと平らげてしまいました。暑いというのは、それだけで色々消耗しているんですね。
ああ因みに、別行動の間、相方はさぬき市にある「平賀源内記念館」に行ったそうです。平賀源内って、讃岐出身の人だったんですね。展示物などなかなか面白かったそうですよ。

18時35分、栗林公園前から、高松空港行きリムジンバスに乗車。

写真は、車窓から見た夕暮れの讃岐富士。
以上で、今回の旅は終了。恒例のお土産紹介コーナーです。

先ずは、亀きち&亀ぞうへのお土産。空港で買った「竹ちくわ」と、栗林庵で買った「さぬき野カステラ」。両方とも喜んで食べていました(※普段は人間用に加工された食品はほとんどあげていません。こういう時だけ特別です)。

さぬき野カステラは、「桑と自然薯」味というちょっと変わったカステラでした。少しだけ亀きち&亀ぞうにあげて、後は私が食べましたが、もちもちしてて、桑の風味?がしてなかなか美味しかったです。
こちらは、岡山で買ったもの。

「若鶏の手羽」と書いてあるのは、ケンミンショーで有名になった「ブロイラー」という商品。ブロイラーって(笑)。岡山県のものではなく、広島は尾道の商品です。近いので岡山でも売っていたのでしょうか。大人気商品とのことなので、一度食べてみたいと思い買ってみました。味は…まあ想像通りかな。お酒のおつまみに良さそうです。

亀さんの箸置きは、岡山城から駅の方へ帰る途中の備前焼のお店で買ったもの。可愛らしい形です。
観音寺で買った、母へのお土産。

ハギロールと、瓦せんべい。

ハギロールはとても美味しかったらしいです。瓦せんべいは、出発前に母が瓦せんべいって素朴でうまいんだよね〜なんて言っていたので、買っていったのですが、食べた後の感想を聞いたら、「普通」とか言われました(笑)。瓦せんべいに過度の期待をかけすぎだっつうの(私も食べましたけど、ちゃんと美味しかったですよ)。
栗林庵で買ったもの。


右端の、「讃岐の檸檬」という、和三盆を使ったレモンの干し菓子がとても美味しかったです。酸味がちゃんと効いていて、やさしい甘みで好みでした。
こちらも栗林庵で買ったもの。


香川県はうちわの生産で有名なので、うちわ関連グッズが多数ありました。左のはうちわ型のしおり。右はミニうちわのストラップです。
そして、今回巡った二つの札所で買ったもの。拝観料とか特にありませんし、御朱印を頂くわけでもありませんので、拝観料代わりのつもりで記念になるものを買ってみました。

右は雲辺寺の「おたのみなす」の形の鈴。左は根香寺で売っていたキーホルダー。お坊さん?の笠に「根香寺」のスタンプが押してあるだけで、他の札所でも売っていそうなグッズですが、他に何もなかったので…。しかし、このキーホルダーの金具、久々に見ました。


お読み頂きまして、ありがとうございました。ミクちゃんツアーは、お遍路もどきなミラージュツアーとなりました。『拝啓、足摺岬にて』の中では、まだ石手寺と岩屋寺と足摺の金剛福寺が待っています。足摺は足摺で行くとして、石手寺と岩屋寺で「ミクちゃんツアー愛媛編」というのも組めそうですね。
例によって、レポートを書くのが遅れておりますが、この後のツアーレポート作成予定は次の通りです(自分が忘れそうなので…)。
 ・2014年9月昭和編ツアー(愛宕神社、東京タワー、月島など)
 ・2014年9月米沢
 ・2014年12月四国(プチミラツアー)
 ・2015年3月箱根(プチミラツアー)
 ・2015年3月日光(プチミラツアー)
 ・2015年5月四万十(プチミラツアー)
 ・2015年6月大分(臼杵&国東)
四国、箱根、日光などは、何度も行っているので拾遺的なツアーになっています。
この後のッミラツア予定は、今のところ2015年10月に熊本行きが決まっているだけ。ああ、どこかで昭和編の横浜ツアーもやりたいですね。
個人的には、最近、高知に移住しようという考えがだんだんと強くなってきまして。高知県って移住者にウェルカムな雰囲気で、相談窓口なんかもちゃんとあるので、助かります。まだまだ具体的な予定は皆無なのでどうなるかわかりませんが、気持ちだけは結構本気。そのうち、日記にも書きますね。

万歩計データ
7月15日:16333歩
7月16日:23878歩
7月17日:32888歩

2015.07.06 up

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