青春18きっぷで行く名古屋ツアー

〜名古屋めしと名古屋城と熱田神宮と




◆旅行日:2014年3月18日〜3月19日

◆行程:
※下線はミラージュスポット(一部推定含む)

◇3月18日:
東京駅→(JR東海道本線)→名古屋駅→(徒歩)→名鉄百貨店ヤング館前・ナナちゃん人形→(徒歩)→喫茶店リヨン(ランチ)→(徒歩)→名古屋市美術館→(徒歩)→名古屋クラウンホテル→(徒歩)→山本屋本店 エスカ店(夕食)→(徒歩)→名古屋ヤミツキ酒場(居酒屋)→(徒歩)→名古屋クラウンホテル

◇3月19日:
名古屋クラウンホテル→(徒歩)→喫茶店クックタウン(朝食)→(徒歩)→愛知県警前→(徒歩)→名古屋城→(徒歩)→名古屋駅→(JR東海道本線)→熱田駅→(徒歩)→熱田神宮(宮きしめんでランチ&参拝)→(徒歩)→熱田駅→(JR東海道本線)→東京駅

◆同行者:パートナー


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2014年春。青春18きっぷでどっかに行こう!という話が出まして。。

特急や新幹線を除くJRの列車が一日乗り放題×5回分で11,500円という価格設定のこの青春18きっぷ。当然、なるべく遠くまで行く方がお得感が増すわけですが、丸一日移動に潰すのではなく、そこそこ観光の時間も欲しい…ということで、選んだ場所が名古屋でした。

自宅の最寄駅から名古屋まで、新幹線を使わないで行くと、所要時間は7時間余り。始発で行けば、お昼には着くので十分観光できますし、1泊すれば2日目も時間が取れます。そして、一人当たりの交通費は往復4,600円で済むという驚異的な安さ…。

名古屋と言えば、高耶さんにも直江にも縁はありませんが、一応ミラージュツアーできますしね。
と言うわけで、自宅の最寄駅から7時間14分(!)かけて名古屋にやってきました。

名古屋城とか、熱田神宮とか、一応ミラージュに出てくる名所がありますけれど、いずれもちらりと名前が出てくる程度ですので、チェックポイントも少なく、今回はかなり気楽な旅です。いつものように綿密なスケジュールも立てていません。

とは言え、旅に出て一発目の写真がすでに名古屋駅に着いてからというのは、さすがにやる気なさすぎでしょうか…。

そう、いきなりですが、こちらは、名鉄百貨店前にいるナナちゃん人形。今回のツアーの数少ないチェックポイントのひとつです。
<名古屋駅近くのショッピングセンターの玄関口で矢崎徹は十五分ほど待たされていた。名鉄乗り場に続く階段から現れた若い女性が手を振って駆け寄ってきた。(略)「ごめんねー。残業長引いちゃって。ここ、すぐわかった?」「ナナちゃん前、だろ。前に来たことあったし。しかしナナちゃんて言うからどんな可愛いキャラクターかと思えば」 天上にまで頭が届く巨大な坊主人形だ。だが待ち合わせ場所としては名古屋では結構有名なのだという>(29巻『無間浄土』38〜39ページ)

このナナちゃんの前で待ち合わせをしていたのは、城北高校で高耶さんのクラスメートだった、サッカー部の矢崎徹とマネジャーの木村尚美。

この時、矢崎は大学生、尚美は会社員。互いに一人暮らしをしていて、同窓会をきっかけに会う約束をしたのだとか。

あれから5年…。高耶さんは随分遠くに行ってしまった気がしますが、その一方で同級生たちの成長を見ると、「仰木高耶」の時間はある意味、止まったままなんだということを痛感させられます。
このナナちゃん人形、お目見えしたのは1973年とのことですから、意外と歴史があるんですね。

この時は、もうじき新学期だからか、普通に制服姿でしたが、色々とシュールな扮装をして通行人を驚かせているらしいですよ。

因みに、ナナちゃんのプロフィールによると、身長6m10cm、体重600kg、スリーサイズはバスト207cm、ウエスト180cm、ヒップ215cmだそうです。

←の写真は、ナナちゃん近くにある地下へと降りる階段
尚美が現れた「名鉄乗り場に続く階段」というのはここでしょうか。



先ずは、名古屋駅周辺の地図を。例によって、赤字はミラージュに名前が出てきた場所、緑字はミラージュとは関係なく立ち寄ったところです。名古屋駅から名古屋城までは徒歩約30〜40分くらいの距離になります。

約7時間も電車に乗りっ放しで疲れたし、お腹も空いてきたので、喫茶店へ。


名古屋と言えば喫茶店文化。事前に調べておいた名古屋駅近くのリヨンというお店にやって来ました。
名古屋の喫茶店は時間に関係なくモーニングサービスをやっていたり、その内容が半端じゃなかったりで有名ですが、こちらのリヨンさんもご多分に漏れず、飲み物を注文すると、6種類の中から選べるプレスサンドをサービスでつけてくれるという心意気。

コーヒーだけ飲んでも、プレスサンドを食べつつコーヒーを飲んでも、料金は同じ400円。まるでコーヒーだけ注文したら損みたいな気になりますが(笑)、そもそも喫茶店でコーヒー400円という時点で決して高くはないわけですよね。恐るべし、名古屋の喫茶店。

←は私が注文したホットコーヒーとポテトサラダプレスサンド。なぜかあられの小袋までついています。
こちらは、相方が注文した小倉あんプレスサンド。


名古屋といったら、小倉トーストですしね。


余談ですが、「水曜どうでしょう」ファンの私としては、是非藤やんの実家の喫茶店に行ってみたかったんですけどね…、あいにく少し前に店を閉めてしまったらしいです。残念。
この日の天気は曇り。翌日は晴れの予報なので、目玉の名古屋城と熱田神宮は翌日に回すことに。お城の写真はやはり青空をバックにした方が映えますからね。

というわけで、ぶらぶらとやって来たのは、名古屋市科学館。巨大な球体はプラネタリウムのようです。

立派な建物に期待大といったところですが…しかし! なんと臨時休館でした。ぶらり旅の弱点が…。
すぐ隣にある、名古屋市美術館は開いていましたので、そちらへ行くことに。


常設展でちょっとした時間潰し。
そして、15時過ぎに早々にホテルにチェックイン。

予約したのは、名古屋クラウンホテル。街中にあるのに、温泉の大浴場があるのでここにしました。ヤフートラベルで500円クーポンを利用して、シングル2名利用の素泊まりが1室6,500円。

先ずは、その温泉に浸かってひと休み。
ミラージュツアーとは思えないほどの余裕っぷりで休憩した後、再び駅前にやって来ました。


写真は、先刻ナナちゃん人形を見た名鉄百貨店。
名古屋駅の西口側にあるエスカ地下街。その一角に、味噌煮込みうどんの老舗「山本屋本店 エスカ店」があります。


名古屋の食べ物と言えば、色々名物がありますが、相方の希望でこちらのうどんを頂くことに。


この日は平日だったんですが、満席で10分程度待ちました。人気店のようです。
ベーシックな味噌煮込みうどん(1,260円)にえび天1本(288円)を足したものを注文。

初めて名古屋の味噌煮込みうどんを食べましたが、味噌というより醤油っぽい?味で、かなり塩分がきついような…。それと、驚いたのは、うどんがかなりアルデンテ状態であること。いや、アルデンテを通り越して、芯の粉っぽさが…。これが名古屋流なんですかね? 私と相方は、あまり好みではなかったなあ。でも、私たちが出た時もまだ行列ができていたので、きっと世間の評判はいいんだと思います。

機会があれば、別のお店の味噌煮込みうどんも食べてみたいですね。
店を出た後、矢崎と尚美が見上げた電波塔を見たくて、散歩がてらライトアップしたその姿を探してみたんですが、随分歩いても見つからないので断念してしまいました。少し遠くからでも見えそうなものですが、ビルが邪魔になって近くに行かないと無理だったみたいですね。


歩いているうちに見つけた居酒屋さんへ。
「名古屋ヤミツキ酒場」というお店です。


相方は肉アレルギーなので食べられませんが、私が食べたいので名古屋名物の手羽先を注文。甘辛いタレがいいですね。


あとは、揚げにんにくと、にんにく味噌キャベツなど。このキャベツが何気に一番美味しかったです。あっさりしたキャベツとにんにく風味のこってりお味噌がマッチして、正にヤミツキになりそう。
二日目。早朝にもう一度温泉に入ってから、9時前にチェックアウト。


あ、クラウンホテルの外観が一枚もない…。気合抜けまくりだな、今回。


さて、朝食はもちろんまた喫茶店へ。事前にチェックしていた「クックタウン」というお店に入ります。
コーヒー360円(増税後は380円になったらしい)に、10時までのモーニングサービスでほかほかのサンドイッチが付きます。嘘みたいに安い…。


卵焼き、キュウリ、マヨネーズ、ケチャップを挟んだ、シンプルでもしっかり美味しいサンドイッチです。
朝食後は、今回の旅の目玉、名古屋城へ。予報通り、この日は天気に恵まれました。


写真は、新御園橋交差点。この交差点を渡るとすぐ、名古屋城の外堀を見ることができます。
新御園橋から西を見て。


今は面影もありませんが、昭和後期まで、このお堀の底を電車が走っていたそうですよ。
こちらは、新御園橋の東側。


この先の方ではヒメボタルが生息しているのだとか。


京都の哲学の道でホタルを見た時は感動しましたが、名古屋もこんな街中にまだホタルがいるんですね。


この外堀を渡ると、名古屋城の三の丸エリアです。
そして、出来町通の歩道橋を渡る途中、良いアングルを発見。


加藤清正像の向こうに堂々とした天守が聳えています。


ああ、清正…。熊本行きたいです。嬉しいことに、つい先日、ジェットスターが熊本就航を発表したんですよね。来年辺り、行けたらいいな。
と、その清正像の前に、寄るところが。

出来町通の南にある、愛知県警察本部です。

<名古屋に着くなり、麗子は愛知県警に直行した。名古屋城そばの官庁街の一角にある県警本部前には、斯波英士を追っかけてきたマスコミが陣取っていた。いつも以上に警備の増えた、ものものしい玄関先に麗子は迷わず入っていった>(30巻『耀変黙示録T』109ページ)

「36号事件」を追って、江ノ島では闇戦国絡みの事件に巻き込まれたこともある、国家公安委員会・特務調査部の二階堂麗子さん。「セキゲイ宗の仰木高耶に監禁されていた」とテレビで発表した斯波英士に直接話を聞くため、この県警本部にやって来たのでした。
面会を拒否され、無理やり本部長室へ進もうとする麗子はしかし、その本部長が霊に憑依されているのを目撃してしまいます。

この30巻は、高耶さんがセキゲイ宗教祖として世間に認知されてしまうなど、闇戦国がとうとう一般社会と深く、直接的に関わってくる巻で、読んでてドキドキしてしまいますね。

なお、麗子がこの後、上司の榊木を名古屋城の堀端に連れ出して話をするくだりがありますが、どこの堀端だったのでしょう。城の北側にも外堀はありますし、また内側にも内堀がありますので、どの辺りかは不明です。

名古屋城周辺は桜の木がたくさんあります。あともう少しで開花…というところでしたが、まだ全て蕾でした。
先刻歩道橋から見た、清正像の前まで来ました。

清正公が名古屋城の築城に携わったからかな、と思って銘文を読むとその通りでした。が、「カゴメ株式会社創業八十周年記念として、同社が建立し、これを名古屋市に寄付されたものです」とあります。

なんでカゴメ? と思って調べたら、カゴメって名古屋の会社だったんですね。知らなかった。

因みに、清正公も、名古屋生まれだそうです。これも知らなかった。
名古屋城の正門(再建)が見えてきました。


これより中は観覧料500円を払って入城します。
正門を入るとすぐのところに梅林があり、その向こうに天守が見えます。
桜には早かったですが、梅がまだ咲き残っていて、城の雄姿に文字通り花を添えてくれました。


名古屋城もなかなか美しいお城ですね。復元城ではありますが、「尾張名古屋は城でもつ」と歌われるだけあって、立派なお城です。
そして、天守の一番上には有名な金の鯱(しゃちほこ)が。


この鯱もいいですが、私は名古屋城のこの屋根の色が気に入りました。

青みがかった緑色をしていますが、これは、瓦ではなく、銅板葺きであるため、このような色になっているそうです(銅が酸化してできたサビがこの青緑色をしている)。東京の武道館なんかと一緒ですね。
おっと。「おもてなし武将隊」の方々のお通りです。


この日は、徳川家康さんと亀吉(うちにも同じ名前の亀ちゃんがいますが/笑)さんの出番だそうで。


個人的には信長公が見たかったな、やはり。
こちらは、1945年に空襲で焼失した旧天守の礎石。


現在の天守を復元する際に移設したものだそうです。
そう言えば、名古屋城って、ミラージュと縁があるような気がしてしまいますが、厳密に言えば、原作の中では特に何かのシーンの舞台になったということは無かった…ですよね?


ま、いずれにしろ、一度は来てみたかったのでいいんですが。


内堀を渡り、本丸の中へ。
天守の中へ入ります。


現在の天守は、1959年に再建された鉄筋コンクリート製のもの。


今後、本来の木造天守を復元するという計画があるそうですよ。
間近で見上げると、かなり迫力がありますね。
鯱の実物大模型。


鯱単体で見ると、(個人的には)趣味悪いもののようにも見えるんですが、名古屋城の屋根についているのはあまり違和感ないんですよね。遠くから見るせいか、あの屋根の青緑色のせいか。
パネルで名古屋城の歴史が紹介されていました。


右下は、1945年に炎上した天守の写真です。衝撃的な写真ですね…。


その左には天守が復元されていく過程の写真が並んでいます。
最上階の展望室にやってきました。
こちらは名古屋駅の方角。


中央に3つのビルが見えますが、右と中央のビルが、名古屋駅のセントラルタワーズです。
南の方を向くと…、ああ、ここでやっと見ることができました。電波塔。

<ライトアップされたオレンジ色の電波塔をを見上げて、ふたりは思った。信じるしかない。きっと譲はどこかで元気に生活している>(29巻『無間浄土』43ページ)

「栄の地下街」から尚美のマンションまで歩く間のどこかで、矢崎と尚美はこの電波塔を見つめ、行方知れずの譲のことを思っていたのでした。
天守から出てすぐのところに、「清正石」なる巨石があります。名古屋城で最大の石垣石材だそうです。

「黒田長政の担当であったが、巨石であるがゆえ普請の名手加藤清正が積み上げたと伝えられ、清正石と呼ばれてきた」と書かれていますが、清正が積み上げたというのは、ただの伝説という見方が強いようです。

しかし、そういう伝説ができるというのは、清正の人気を表しているのでしょう。
名古屋城は、本丸御殿の復元工事真っ最中。


旧本丸御殿は1945年に天守とともに焼失してしまったそうですが、膨大な数の実測図や写真、また焼失前に疎開させて難を逃れた障壁画などが残されていて、現在、それらに基づき細部まで忠実に復元しているのだそうです。
2009年から着工したこの復元工事。私たちが行った2014年3月時点では、玄関・表書院の部分が公開されていました。


別料金は必要なく、名古屋城の観覧料だけで中を見学することができます。
私たちも早速中へ。

入口でリュックは無料ロッカーに預けるよう言われ、小さなポシェットも体の脇ではなく、前の方に寄せておくように言われました。建物に極力ダメージを与えないためかと思われます。

実際中に入ると、そんな配慮も至極納得。真新しい白木は眩しいほどに美しく、繊細緻密な造りにため息が出そうになります。

数百年の時を経て風格が増した建築物も歴史の重みを感じられて良いですが、こういう真新しいものも清々しくて、悪くないですね。
こちらは玄関二之間。


玄関の部屋は、訪問者を威圧するため、虎や豹が描かれているのだそうです。
一方、表書院の部屋は、雉や花などの花鳥図で客をもてなしているのだとか。


こちらは、表書院一之間。
表書院上段之間。


殿様が着座する場所なので、一際華やかで、天井も格式の高い折上格天井となっています。
ええっと…。実はスターウォーズってろくに見たことないんですけど、こちらはダースベイダーさん…でしたよね。


名古屋城視察でしょうか? それとも武将隊と一戦交えに? まあでも、平和そうでなによりです。
帰り際に、天守の雄姿をもう一枚。


このアングルもなかなか良いですね。石垣も美しいし。
名古屋駅周辺の観光はこれにて終了。


歩いて名古屋駅へ向かいます。
名古屋駅の地下街を通った時、パスタ屋を見かけ、思わずパチリ。


そう言えば、ナナちゃん前で待ち合わせした矢崎と尚美が食べたのは、「ミソかつ」でも「えびふりゃあ」でも「きしめん」でもなく、スパゲティだったようですね。地下街の「評判のスパゲティ屋」に入ったと書かれてあります(29巻39ページ)が、こんな感じのお店だったんでしょうか。

因みに写真は、名駅地下街サンロードにある「サポーレ」さん。こちらも結構人気のようです。
名古屋駅から東海道本線で3駅戻り、熱田駅に到着。


今回の観光のもうひとつの目玉、熱田神宮へと向かいます。



一応、熱田神宮周辺の地図を。ミラージュに出てきたのは、神宮の「本宮」と「宮庁」くらいですね。後は、立ち寄った場所と目印になる場所を付しておきました。駅から近いのでアクセスしやすいです(とは言え、神宮の境内はかなり広いですが)。

JR熱田駅から名鉄神宮前駅の方へ歩く途中に、「神宮前商店街」という何ともレトロな商店街があります。

レトロと言えば聞こえはいいですが、ただ単に時代に取り残されただけのような雰囲気。

正確には参道ではないでしょうけれども、熱田神宮の参拝客がたくさん通る商店街のはずなんですけどね…。

伊勢神宮や出雲大社なんかは遷宮だの縁結びだので大分盛り上がっていますし、パワースポットだとか言って寺社がもてはやされている昨今、もう少し活気があっても良さそうなものですが、どうしちゃったんでしょ。
見事なシャッター通り。

無茶な再開発は望みませんし、ある程度の寂れた感もそれなりの風情があって悪くないと思いますが、こういう昔からのお店がもう少し元気になるようなやり方ってないもんですかね。

その土地ならではのお土産とか食べ物とか見て歩くのが、お参り前後の楽しみでもありますし…。

ただ、何件か風俗店は元気に?営業しているようでした。これも名古屋名物?ということですかね(笑)。
駅からゆっくり歩いて10分余り。


本当は正門から入ったらいいんですが、かなり遠回りになるので、東門から入らせて頂きます。
境内に足を踏み入れると、そこは、市街地にあるとは思えないほど、緑豊かな森。


どことなく、この社が創られた神話時代を彷彿とさせるような、そんな空気さえ漂っています。
木々の深い緑と、巫女さんの袴の緋色とのコントラストが実に鮮やか。
もう14時になってしまったので、お参りする前に、先ずは腹ごしらえを。


境内にある「宮きしめん」で頂きます。


テント張りの簡素な店構えですが、環境がいいので、かえって心地よいです。
白えびかき揚げきしめん、750円を注文。なぜ富山の白えびが? 名古屋と富山って意外と近いから? うーん、そんなに近いようにも思えませんが。

つゆは「白つゆ」と「赤つゆ」が選べるようになっています。見た目は関西風、関東風という感じですが、味は完全にそうとも言えないようですね。うどんつゆの東西の境界線は関ヶ原だそうですが、名古屋辺りだと微妙に入り交じってるのかもしれません。

こちらは「白つゆ」の方。だしの旨みが効いていますが、ちょっと塩分がきつかったかな(前日の味噌煮込みうどんといい、名古屋の食べ物ってしょっぱいものが多いのでしょうか)。つるつるのきしめんと白えびのかき揚げはとても美味しかったです。
宮きしめんのすぐそばにある「南神池(みなみしんいけ)」で、たくさんの亀さんたちが場所を取り合うようにして甲羅干ししていました。


家でお留守番しててくれてる亀きちと亀ぞうには今回はお土産は無さそうです。彼らが食べられそうなものが見つからず…。
熱田神宮の始まりは、1900年前、この地に草薙剣(くさなぎのつるぎ)が祀られたことによるとされています。

1900年と言っても、日本では古事記とか日本書紀とかの神話時代のことですから、史実としての信憑性はわかりかねますが…。ミラージュでは、その草薙剣について次のように説明してありました。

<熱田神宮は三種の神器のひとつ・草薙剣を祀る。草薙剣は元の名・天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)といい、スサノオ神が出雲でヤマタノオロチを退治した際、その尾から出てきたと言われる神剣である。スサノオ神はこの剣を天照大神に献上し、後の天孫降臨では天照大神が「葦原中津国(日本)を統べる者の証」のひとつとして、高天原から降臨するニニギ命へと授けた。三種の神器は、この時授けられた「鏡・剣・勾玉」を指し、後世、王権の証として、代々天皇家に伝えられたのだ>(31巻『耀変黙示録U』137〜138ページ)
<天叢雲剣は後に、日本武尊(やまとたけるのみこと)へと伝えられた。駿河での戦の時、日本武尊は火攻めにあってしまったのだが、絶体絶命のところを、天叢雲剣がひとりでに周囲の草を薙ぎ払って武尊を助けたところから、「草薙剣」と呼ばれるようになったのだ。>(31巻『耀変黙示録U』138ページ)

日本武尊は東国を平定した後、尾張国で宮簀媛命(みやすひめのみこと)を妃とし、伊吹山の賊を平定しに行く折、草薙剣を彼女に預けたが、帰路にて亡くなり、宮簀媛命がこの神剣を熱田の地に祀った、とのことらしいです。

さて、本宮拝殿が見えてきました。
拝殿の左右の翼廊が「外玉垣(とのたまがき)」、ひとつ内側にある垣が「内玉垣(うちたまがき)」になります。こちらの写真は拝殿右側の外玉垣。

外玉垣の内側にある三つの社殿のうち一番奥にある社殿が本殿です。

耀変黙示録シリーズの中で、信長が比叡山を遠隔攻撃した場所がこの本宮でした。比叡山は目下、大威徳明王法にて赤鯨衆の神護寺を攻撃中であり、あわや成就となる寸前、信長がこれを阻止したのでした。
<「成就」 斯波英士はその瞬間、大きく告げて拍手を二度打つと、張りつめ切った精神を解くようにゆっくりと瞼を開いて、おもむろに立ち上がった。斯波こと織田信長は、同じころ熱田神宮にあった。真夜中の誰もいない本宮拝殿。樹齢千年の楠に囲まれた神明造の社を望む内玉垣の前、信長は床机に腰かけて、剣を並べた祭壇をはさみ本殿に向かっていた。信長の祭壇と本殿の間には、一振りの刀剣と一本の幣束が立てられている。幣束は炎をあげている。燃え尽きるのを見届けることなく、信長は本宮に背を向けた>(31巻『耀変黙示録U』136ページ)

写真は拝殿右の翼廊から本宮内側を望んで。一番手前の建物が内玉垣御門、その脇から延びる垣が「内玉垣」。
こちらは、拝殿正面付近から内玉垣御門を望んで。

信長は、
「本宮拝殿」「内玉垣の前」にて「本殿に向かっていた」とありますので、恐らく、この写真に写っている“拝殿と内玉垣御門の間”に祭壇を設け呪法を行っていたものと思われます。

ただ、前述した通り、本殿は一番奥の建物ですから、
「本殿に向かっていた」「祭壇と本殿の間に」と言うのはちょっと違う気もしますが…。「本殿の方」という風に解釈すればいいのでしょうか。
<「殿……!」 拝殿の外で、信長を待ち構えていたのは森蘭丸ら織田の重臣だった。「凄まじい雷の矢が天へと立ち上るのを見ました。見事にござりまする!」 純白の狩衣姿の信長は、余裕を残した不敵な微笑で頷いた。「……事は済んだ。ゆくぞ」 信長は蘭丸らを引き連れて、今は信長の官邸とも言うべき境内の宮庁へと向かった>(31巻『耀変黙示録U』136〜137ページ)

写真は、蘭丸らが信長を待ち構えていたという拝殿の外。

信長の官邸となっていたという「宮庁」は、この本宮のやや南東に位置しています…が、あっさりチェック漏れ。抜かった…。熱田神宮のHP(境内案内のページ)には、写真も載っていますので、宜しければ確認してみて下さい。

熱田神宮HPはこちらから(別窓展開)。
本宮の東にある「神楽殿」と、その手前に咲く「ならずの梅」。


「ならずの梅」は、室町時代からあるという大変な古木だそうです。一度も実をつけたことがないため、そう名付けられたのだとか。
こちらは本宮の南にある「信長塀」。

案内板には「織田信長が桶狭間出陣の際、当神宮に願文を奏し、大勝したので、その御礼として奉納した塀である」と書かれています。

因みに、ミラージュには信長の神道への信仰について次のように書かれています。

<熱田神宮は、信長が生涯最も愛着を抱き、最も篤く崇敬した社だ。織田家は元々、越前「織田剣神社」の神官だったこともあり、その空間が生み出す深奥と清浄は、感性の底に染みついてもいる>(31巻『耀変黙示録U』137ページ)
ところで、熱田神宮が祀る草薙剣ですが、一応、神宮の奥深くに安置されているということらしいですが、天皇ですら実見することは適わないとのことですので、本当に実在しているのかどうか、どのような神剣なのか、もはやミステリーですね。


さて、参拝を終え、元来た道を熱田駅まで引き返します。来るときは気づかなかったんですが、名鉄の神宮前駅(写真右の建物)のすぐ隣に、ものすごく歴史を感じさせるビルが。店舗は営業しておらず、既に廃ビルとなっているようです。そのうち取り壊されてしまうのでしょう。
その廃ビルのひとつ向こうに、「熱田名物きよめ餅」を販売する「きよめ餅総本家」があります。


事前にチェックしていたわけではないんですが、看板を見て立ち寄ることに。
きよめ餅は、「ていねいに炊き上げたこしあんを、つるんとやわらかい羽二重餅でくるんだ人気の銘菓」だそうです。


一個から買えるようでしたので、二個だけ購入させてもらいました。


帰りの電車の中で頂きましたが、素朴で美味しいお餅でした。こしあん派の私には打ってつけ。
今回買った土産物はひとつだけ。趣味悪いとか言いながら、ちゃっかり金鯱グッズ買ってるし(笑)。マグネットです。


いや、名古屋天守閣の最上階の売店で、何かしら記念品を買いたかったんですが、他に購買意欲をそそられるものがなくて。


小ぶりなので案外可愛らしいですよ。



名古屋って、新幹線で大阪や京都に行く度に通過するので身近に感じてましたが(ちょうど寝入ったなって頃に名古屋に着くから起きちゃうんですよね)、立ち寄るのは何気に初めてでした。ミラージュツアーとしては、登場箇所が少ないため、内容が薄かったですが、名古屋めしを食べたり、名古屋の喫茶店を満喫したり、名古屋の温泉にも入ったりしましたし、名古屋城と熱田神宮も訪れることができましたので、旅としてはまあまあ悪くなかったかなと。費用も格安でしたしね(交通費と宿泊費の合計は一人当たり7,850円)。

今季、初めてミラツアに18きっぷを導入しましたが、意外と使えそうですね。関東圏からなら、直江津とか松本とかも行けちゃいそうです。下手したら松本なんて日帰りできるかもしれませんね。車がなくても、貧乏旅でも、ミラツアは工夫次第でもっと可能性が広がるということでしょうか。今後も果敢にチャレンジしていきたいと思います。

因みに、18きっぷ全5回分のうち、あとの1回は、この名古屋ツアーに先立ち、日光中禅寺湖への日帰り一人旅に使いました。この旅については、プチミラージュツアーのコーナーでレポートをアップ済みですので、宜しければそちらもどうぞ。




万歩計データ:
3月18日:24299歩
3月19日:27021歩
街中だからあまり感じませんでしたが、結構歩いてますね。


2014.09.08 up








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