プチ・ミラージュツアー


「高知市&祖谷の宿」の巻


●旅行日 2014年12月13〜15日
●『炎の蜃気楼』該当箇所 22巻『魁の蟲』187ページ〜、
21巻『裂命の星』66ページ〜、ほか
●対象スポット 高知市の川沿いに建つビジネスホテル、
かずら橋近くの旅館、金刀比羅宮、ほか
●同行者 相方、相方母

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2012年冬に、初めて高知を訪れて以来、高知がとても気に入った私と相方ですが、今回は相方母も連れての四国ぐるり旅です。

私たちにとっては再訪の場所も多々ありますが、それだけで終わってはもったいない。ということで、所々、さり気なくミラツアをぶっこんでみましたよ(笑)。

基本的には、2012年12月のツアーと2013年12月のツアーでカバーしている部分ですので、今回の旅はプチミラージュツアーとしてご紹介します。

今回の旅は、松山空港から入って、高松空港から出る形で四国を回ります(二泊三日)。松山は通過しただけ。高知と祖谷でそれぞれ一泊し、こんぴらさんに寄ってうどんを食べて帰ります。

←の写真は、桂浜にある「坂本龍馬記念館」の屋上から西の方角を見て。遠くに足摺岬の先端がうっすらと見えます。反対側には室戸岬の先端が見えますが、こちらは割愛。
同じく、坂本龍馬記念館の屋上から。赤鯨衆の浦戸アジトとなっていた「桂浜荘」はすぐ隣。

あ、「非常階段の踊り場」って、こちら側にもありますね。2012年12月のツアーで、「直江が高耶さんを連れ出した非常階段の踊り場(29巻192ページ)」をこちら側とは反対側の踊り場の写真で紹介したのですが、こちら側が正解だったかもしれません。

向こう側は踊り場はあったんですが、階段部分が外からは見えなかったんですよね(ちゃんと内側にあったのかもしれませんが)。それにこちら側の方が眺めも良さそうですしね。

この桂浜荘もそのうち泊まってみたいと思います。高知に移住を検討していますので、今後いくらでも機会はあるでしょう。
やはり同じく龍馬記念館屋上から見おろした浜辺。海もきれいですね。

桂浜に来るのは三回目ですが、龍馬記念館に入るのは今回が初めてでした。前は坂本龍馬と言ってもまったくピンと来なかったんですが、この時は、NHK大河の『龍馬伝』をレンタルで観た後だったので、なかなか興味深かったです。そして、桂浜の風景を見ると、坂本龍馬のような人物がこの土佐から生まれたということが、感覚として、なんとなく、納得できてしまう気がします。

闇戦国の革命児とも言える赤鯨衆が誕生したのも、この桂浜での出来事だったことを思うと、実に感慨深いです。時代の新潮流が生まれる場所として、土佐は正に相応しい場所だったんでしょうね。
一日目は、高知市街地で宿泊。宿は、鏡側沿いに建つ「松栄第二別館」です。

こちらは、以前のミラツアで、直江が高耶さん探しで高知入りした際に泊まった宿ではないかと目星をつけていたところです(作中にホテル名は書いてありませんので、あくまで推測です)。

高知市街地にはビジネスホテルはたくさんありますが、こちらは和室もありますし、三人で泊まるにはちょうどいいよねーという理由をくっつけてさりげなく盛り込んでみました。日曜市やひろめ市場にも比較的近いですし、温泉や露天ではありませんが、一応大浴場もあります。

少々古い感じは否めませんが、龍馬も泳いだという鏡川がすぐ目の前に流れていて、一般的なビジネスホテルよりは旅情があって悪くないです。
                 
松栄第二別館のロビー。本編ではなく、昭和編のミラツアでもしているような気分にすらなるこのレトロ感。

まあ、これはこれで悪くない雰囲気なのですが、横浜のインターコンチとか、京都のリーガロイヤルとか泊まってた頃の直江からはちょっと想像もつかない感じで…。

でも、貧乏だろうが何だろうが構うことなく、すべてをかなぐり捨てて一心不乱になってしまうという、この頃の姿の方が直江の本性をよく表しているんだろうなという気がします。
和室のお部屋はこんな感じ。因みに、料金は、3名素泊まりで13,000円でした(楽天クーポン利用)。

障子の向こう側は広縁になっていて、窓からは鏡川が見下ろせます。
<高知入りしてから一週間がたった。今は繁華街からほんの少し外れた川沿いのビジネスホテルに泊まっている。ネクタイをゆるめて窓枠に腰掛けている自分の姿が、窓の向こうの夜景の中に浮かぶように映っている>(22巻『魁の蟲』187ページ)
<裏街のネオンが川に映っている>(22巻『魁の蟲』188ページ)

<(俺はあのひとを見つけだせる) 信じるしかない。自分を。きれい事ではなくそう思う。誰も助けやしない。絶望に引きずられたら奈落だ。奈落に落ちたら終わる。信じねば。高知の街の明かりを直江は見つめた。高耶を隠す世界に、戦いを挑む眼で>(22巻『魁の蟲』197〜198ページ)

→の写真は、松栄の部屋から見た夜景…というか、朝焼けです。夜撮ればよかったのですが、ひろめ市場→明神丸帯屋町店→カラオケと、三次会まで盛り上がって、そこそこ出来上がった状態でしたので、取りそこねました…。
高知城はこの時期、イルミネーションをやっていました。

お城とクリスマスツリーのコラボというのも、何やら不思議な感じですが、そこそこきれいです。
ひろめ市場で例によって、ゆずサワーをがぶ呑みした後、明神丸帯屋町店でもまたゆずサワー。

2012年に、初めてひろめ市場で本場のゆずサワーの味を知って以来、高知のゆずの虜になった私たちです。この時期のゆずはまた格別。高知にミラツアに行かれる方は、是非本場のゆずサワーを味わってみて下さい(11月以降に新ゆずが出るので、その頃がお勧めです。10月半ばくらいに行ったことがありますが、その時はまだ新ゆずに切り替わってなくて、風味がだいぶ違ってました)。

手前の小皿は、どろめ(生しらす)です。
翌日は、早朝からお買い物。ご存知、高知の日曜市です。色々買い込みまして、宅急便で自宅に送ります。

私が買ったのは、ゆず酢、ぎんなん、金柑、安納芋、にんにく、芋がらなどなど。

相方母も高知の日曜市は大のお気に入りで、この翌年2015年の年末もまた三人で高知に行っています(2015年は高知市で一泊、馬路村で一泊しました)。
日曜市でお買い物をした後、JR土讃線に乗って大歩危までやってきました。南国土佐から一転、この辺りは雪景色です。

大歩危は、祖谷への玄関口です。21巻では武藤潮がこの駅からかずら橋まで歩いていましたね。

大歩危駅前から接続する路線バスに乗って祖谷へと入る予定でしたが、JRが遅れたため(土讃線ってしょっちゅう遅れる気がします)予定のバスに乗れず…。その次のバスはずっと後なので、仕方なくタクシーに乗ることに。
一旦、宿泊予定の旅館まで行って、荷物を預かってもらい、旅館の送迎車でかずら橋まで送ってもらいました。

かずら橋周辺は、更に雪深くなっていました。ここに来るのは二度目ですが、前回とはまったく違った趣きです。
潮は、「目ぇつぶったって渡れます」(21巻72ページ)なんて言っていましたが、うっすらと雪が積もったかずら橋は相当手強いです。

揺れるし滑るしで、私はかなりへっぴり腰で渡りました。かえって相方母の方が心配なくらいひょいひょい渡っていてびっくり…。
かずら橋周辺の観光を終えて、再び送迎車で宿まで送ってもらいました。

その宿というのは、こちらの「新祖谷温泉ホテルかずら橋」。かずら橋からは、徒歩20分くらいの距離にあります。潮が21巻で立ち寄った、昔アルバイトをしていた旅館というのは恐らくここだろうと推測されます(詳しくは2012年12月のツアーレポートをご参照下さい)。

前回の祖谷では、「ホテル秘境の湯」に泊まりましたが、次に機会があれば是非ここにと思っていました。作中に書いてあった「ミニかずら橋」というのはありませんが、その代わり、露天風呂へ行く宿専用のケーブルカーがあります。
玄関〜フロント付近。

<かずら橋近くの旅館だ。以前、少しだけ働いていたことがある。訪れるのは半年ぶりだった。玄関を入ると、正午過ぎにも関わらずロビーは中高年の団体客であふれていた>(21巻『裂命の星』66ページ)

こちらの旅館は恐らく近年改装されていますので、桑原先生が書いた当時とは様子が違っているかと思われます。
楽天トラベル等の評価は非常に高い旅館です。価格は一泊二食付で1.5万円くらいからだったかと。接客サービスの質が良いのと、囲炉裏のある食事処で田舎料理が堪能できるのと、やはり露天風呂が情緒満点のとで、満足度が高いようですね。

こちらの写真は、泊まったお部屋。こちらは改装したてなのか、めちゃめちゃきれいなお部屋でした。トイレも最新設備でとっても快適。
そして、部屋の窓からは、この雪景色ですよ。正に秘境の趣きですね。

祖谷の山中で野宿していた高耶さん、冬になったらどうするつもりだったんだろう…。潮に出会えて良かったですね。
<潮は言葉に甘えて「ひとっぷろ」浴びていくことにした。(略) この旅館は山側に露天風呂がある。風呂へ続く回廊の途中に「ミニかずら橋」なんていうものがあるのも面白い>(21巻『裂命の星』71ページ)

前述のように「ミニかずら橋」はありませんが、山上にある露天風呂へは、写真の宿専用ケーブルカーに乗って行きます。これがなかなか楽しい。写真左手の建物は、休憩所。軒下で大根を干していました。

山上の露天風呂は、男湯と女湯の他にもうひとつ、混浴湯があります(少し離れたところに貸切湯もあります)。にごり湯でもないのに混浴!?と思い、仲居さんにタオルとか巻いてもいいんですか?と聞いてみたところ、やはりそれはダメだそうで。ただ、こじんまりとしたお風呂なので、先客がいれば、後から来る方は普通遠慮されるので大丈夫ですよ、とのこと。まあそうなんだろうなーと思い、後で三人で混浴の方に入ってみることにしたのですが、そこで思わぬ珍事?が…。
先発隊として私がひとりで混浴湯が空いているかどうか確かめに行き、空いていたので、携帯で相方&相方母を呼びました。その直後、カップルが一組いらしたので、ああどうしようかな〜と思ったのですが(貸切ではなく普通の混浴ですので、もちろん帰れとは言えません)、カップルさんの方が遠慮して戻って行かれました。まあそりゃそうだよな〜と、ほっとして、寒いし、先に入ってるか、と私は服を脱いで、ひとりで露天風呂に浸かって二人を待っていたんですよ。

すると、足音が聞こえてきたので、ああ来たなと思ったら、なんとそれは見知らぬおっさん!

あ、いや、その…何て声をかけようか迷っている間に、おっさん、なんと私の前でそそくさと服を脱ぎ始めたではないですか(まじだぜ、これ)。いやちょっと待て。あんたが入るんなら、オレが出るよと思い、声をかけたら、まさかの回答。「ニホンゴワカリマセ〜ン(※English)」 まじか。唖然とするオレをよそに、平然と狭い露天風呂に入ってらっしゃいましたよ、そのアジア系のおっさん。

いいんですよ、もちろんいいんですよ、何も悪いことしてないですよ、このおっさん。だから私も何も文句なんて言えないですよ。だけど、何だろうな〜この状況。今一度確認なんだけど、オレ(性別=女)、今、知らないおっさん(性別=男)と、二人きりで混浴してるんだよね? 真っ裸で? にごり湯でもないのに? 
自分の置かれた状況の奇妙さ加減に、思わず頭が真っ白になりました。まあ、しばらく背中向いたまま浸かってたら、相方と相方母が来たんですけどね。それまでの時間がすごく長く感じられました。

しかし、オレ的に、このおっさんよりもツワモノだと思ったのは、実は相方母の方。「日本語わからないっていう男の人が今入ってるから、もし嫌だったら入らなくていいですよ」と私が教えてるのに、あ?なに?と言いながら平気で裸でばしゃばしゃ湯に入ってきました。強ぇ。母強ぇ(笑)。

ひとつ上の写真は、ケーブルカーで登ったところにある足湯。お風呂の方は、写真撮れませんので、興味がある方は、「新祖谷温泉ホテルかずら橋」のHPをご覧になって下さい。左の写真は、夕食会場にて。鮎とでこまわしですね。

温泉の泉質としては、無色透明、硫黄の香りもほとんどない、比較的さらりとしたお湯でした。同じ祖谷の中でも、2012年に泊まった「ホテル秘境の湯」の温泉とはだいぶ違うようです(あちらは無色透明でも、かなりとろみのあるお湯)。
そんなハプニング的なこともありつつ、祖谷で一夜を明かし、旅の三日目、最終日となりました。金刀比羅宮を参拝しがてら、うどんを食べて帰ろうということで、一先ずこの祖谷の山中を抜けなくてはならないわけですが、来た時と同じ大歩危駅から土讃線に乗っても面白くないだろうと、路線バスで祖谷の山中をくねくねと通り、阿波池田へ出るルートを選びました。

実は、例の小便小僧の銅像がこの路線バスのルート上にあるので、車窓からでも見てみたかったというのもありまして。かずら橋周辺からはなかなか歩いて行ける距離ではないんですよね。

<近くには祖谷渓という渓谷があり、高さ二百mの断崖絶壁には小便岩なるものがあって愛らしい小便小僧の銅像が断崖に向かって用を足している。そこからの眺めは気の弱い人間には失神ものの迫力だ>(21巻『裂命の星』65ページ)

その小便小僧、何とか写真には収まりましたが、下の渓谷までは映らなかったですね。走るバスの中からはちらりと覗くことができました。確かに深い谷になっています。この場所に限らず、この路線は絶景続きですので、オススメです。特にこの時は雪景色がきれいで、私も相方母も感嘆しきりでした。


そして、祖谷の山中を抜けると、ミラージュスポットの連続でもあります。上の写真、左から、白地攻めの前に高耶さんたち遊撃隊が待機していたと推測されるレストハウス(ウッディレスト渓流館)、白地城跡に建つ宿泊施設(あわの抄。バスのフロントガラスの先の建物がそれ)、白地攻めで出てきた三好橋と池田大橋(手前の緑の鉄橋が三好橋、先の方に小さく写っている赤い橋が池田大橋ですが…小さすぎてこの写真では見えませんね)、直江が祖谷での高耶さん探しの際に宿にしていたビジネスホテル(ビジネスホテル阿波池田)。詳しくは、過去のレポートをご参照下さい。
ホテル前のバス停から、1時間ちょっとの間でしたが、充実のバス旅でした。

さて、阿波池田駅に到着しまして、ここからは例によって土讃線に乗って香川入り。
「こんぴらさん」の名で親しまれる金刀比羅宮(ことひらぐう)の大門までやって来ました。こんぴらさんと言えば、やはりあの長い石段の参道が有名ですよね。この大門まではタクシーで来ることができます。相方母にはきつそうでしたので、タクシーでここまで上がってきました。

香川の名所と言ったらやっぱりこんぴらさんかなあと思って立ち寄りましたが、実はミラージュにもちらりと出てきているんですよね。33巻『耀変黙示録W』119ページに、晃焔らが金比羅宮を拠点としていると書かれています。

この大門の前に、甘酒屋さんが出ているんですけれども(白い傘が差してあるところ)、そこの甘酒が超絶美味でした。ほんのりと生姜が利いていて、甘さはくどくなく、すっきりとした味で、酒の旨みと香りがちゃんとあって…恐らく今まで飲んだ中で一番美味しい甘酒だったと思います。
大門から本宮までまだまだ長い道のりなのですが、相方母には無理そうなので、この写真の階段を登ったところにある表書院を拝観して終わりにしました。まあ私は以前行ったことがありますし。

表書院には円山応挙らの有名な障壁画があり、有料ではありますが、拝観することができます。あのデブ猫みたいな虎の絵ですね。「富士の間」というのがあって、私はそちらの方が気に入りました。非常に淡い絵なんですが、部屋を囲むように富士の稜線や樹木が描かれていて、まるで自分が風景の中に入ったような臨場感があり、思わずぞくっとしました。
参拝後、参道にある「こんぴらうどん」の本店でうどんの昼食。

冬ですが、冷たいさぬきうどんが恋しくて「えび天ぶっかけ」を注文。やっぱりさぬきうどんはいい。

以上、家族旅行にしれっとミラスポットを盛り込んだプチミラージュツアーでした。



2016.02.09 up







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