ミラージュ・ストリーム(勝手に)続編 〜裏四国編〜
棚引く雲をすり抜けて、甘い夢からテイクオフ。
朝陽の眩しい上空へ、あなたを乗せてフライアウェイ。
おはようございます。お目覚めになりましたか?
あなたの愛の案内役、直江信綱です。
今回はミラージュ・ストリーム(勝手に)続編をお届けします。
前回の・・・
「景虎様が機長でもよかったな。そうか、俺が副操縦士になればいいんだ。よしっ、この次はそうしよっと」
・・・との予告通り、今回は高耶さんにSAL(エスエーエル)、赤鯨航空、松本―高知便の機長になって頂きました。
それにしても、やっぱり高耶さんはどんな服を着せても似合いますね。
制帽を目深にかぶり、肩章や金モールのたくさんついた白地のブレザーに、
ネイビーブルーの細いネクタイをきっちり締めているところを見ると…
ふふっ、ゾクゾクします。
思わず、乗員乗客が降りた後のキャビンでそんな高耶さんを押さえつけ、
機長服をゆっくり脱がしていくシーンなど想像(妄想)しちゃいますね。
おっといけない。
危うく副操縦士としての仕事を忘れるところでした。
では、皆様、高知到着までもうしばらく、よい旅を。
♪CM(キャスト:一蔵)♪
この番組は、空飛ぶ鯨、SAL、赤鯨航空の提供でお送りします。
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(CA機内アナウンス)
「ただいま当機は紀伊半島上空を高知に向けて定刻通り飛行中です。
高知空港の天候は曇り、気温は10度。
あと20分ほどで着陸態勢に入ります。
機内販売、お飲み物の提供は間もなく終了とさせて頂きます」
「今日はキャビンへナンパしに行かなくてよかったのか?」
隣の操縦席から聞きなれた冷ややかな声がかかった。
仰木機長だ。
目の前の計器類と前方の空を交互に見ながら、少しの嫌味を込めて言う。
俺の忠誠心を試すかのように。
「行くわけないじゃないですか。あなたが隣にいるというのに」
「オレが隣にいなければ、行くんだろ?」
高耶さん…嫉妬しているんですね。なんて可愛らしい。
機長の制服を威風堂々と着こなしながらすねてみせるあなたも素敵です。
「それより、機長。やはり四国への着陸は難しそうですね。今や四国の上空は厚い雲に覆われてますから」
軽く咳払いをして話題を逸らすと、高耶さんは前方を睨みながらこう言った。
「ああ。あのしろいのな」
「た、高耶さん今何と!?」
「だから、あのしろいのだろ?」
し、しろいの、ですと!?
それはもしかしてもしかして、あの21巻での問題発言では!!?
俺がいない間に高耶さんが独りで●●●なことをしたり▲▲▲なことをしたりしてたあの破廉恥な…
「前方、高度約1万メートルのところにしろいのが飛びまくっている。直江、要注意だ」
「た、高耶さん…すっかり大人になって(涙目)」
こんなにさらりとアダルトなことを口にするなんて。
いえ、いいんです。これがもしあなたの"しろいの"なら、私がすべて責任をもって呑み干し…
「何言ってるんだ、直江。オレは高耶じゃない。景虎だぞ? お前が"景虎様が機長でも…"って言ったんだろ?」
か、景虎様!
道理で女王様っぽい不遜な空気を纏っていると思ったー!
と、俺が…
(景虎様でもいいな…
厳格な鬼機長とその冷徹な態度にもめげずいつも彼の傍でサポートに徹する副操縦士。
しかし寄港地のホテルの部屋では一転、
不器用に甘えてくる機長を優しく宥めすかし、ベッドに…)
…などと再びドリームに入ろうとしたその時だ。
誰かがコックピットのドアをドンドンドンと激しく叩いた。
「大変です、機長!」
CAが息せき切ってドアを開けた。
「どうした、何があった?」
「機内限定販売の商品が売り切れてしまい、怒った乗客たちが暴れているんです!」
「何だと? 困った乗客だな。で、その商品とは一体何なんだ……?」
「はい、仰木高耶官能写真集です!」
出たぁー! 仰木高耶官能写真集!!
SAL航空はなんて商売上手なんだ!
しかし、売り切れとは…もしかして俺が先日倉庫から5000部ほど失敬したからだろうか。
「ど、どうしますか? 景虎様」
「うむ。致し方ない。ちょっと行って黙らせてくる」
「え? 景虎様、黙らせてくるって一体どうやって? まさか調伏…?」
「そんなわけないだろ。死人だってれっきとした客なんだぞ。
要は俺のあられもない姿が見たいっていうことだろ?
見せてやりゃあいいじゃないか、ナマで。減るもんでもなし」
「機長が機内でストリップする気ですか!?(どんな機長だ)
だめです! そんなこと、私が許しません!」
引きとめようと伸ばした俺の手をすり抜けて、景虎様はコックピットを出て行く。
「景虎様ぁ! なんてことを! 私以外の人間の前で肌を晒すなんて!!」
待って下さい、と副操縦席を空けて後を追おうとする俺をCAが慌てて制止する。
「だめです、直江サブ。もうじき着陸なんですから、(ストリップしに行った)機長の代わりにちゃんと操縦して下さい!」
キャビンからは早くもどよめきと黄色い歓声が沸きあがった。
「操縦なんかしている場合か。景虎様が脱ぐと言っているんだぞ。
止められないならば、せめて俺もひと目見たいじゃないか!(落ちるぞ、この飛行機)」
「何をわけのわからないことを言っているんです。
ああっ、機体が…傾いてますよ、直江サブ! 早く操縦桿握って下さい!」
盛り上がるキャビンを背に、俺はCAに無理やり操縦席へと座らせられた。
「くっ、なんてことだ! 俺が間違っていた。
あの景虎様が機長なら、こんな暴走もありえなくはない。
こんなことなら、大人しく高耶さんを新米CAにでもして俺が乗客になってセクハラナンパしておけばよかったー!」
キャビンから一際高い歓声が上がる。
ああ、景虎様…私もごねたら、目の前でストリップしてくれますか?(ぶん殴られそうだ…)
♪CM(キャスト:一蔵) ♪
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分厚い雲の彼方から、柔らかな陽射しが微笑みかける頃、
疲れた翼をそっと休めて、あなたのハートにランディング。
ミラージュ・ストリーム(勝手に)続編、いかがでしたか?
今回は景虎様機長編をお送り致しました。
え? あのあと着陸は無事にできたのかって?
大丈夫、心配ないですよ。気合で何とかしましたから。
景虎様のストリップを見られなかった悔しさを糧にして。
いささか乱暴ではありましたけどね。
ま、どうせ乗ってるのは霊ばかりなんですから、多少失敗したって平気ですよ(クスッ)。
え? 私の操縦はどうしていつもそんなに乱暴なのかって?
嫌ですね。ワイルドと言って下さい。
しかし、操縦というのはどうも性格が出るようですね。
ベッドの上と同じです。
ベッドの上の私…ですか?
それは…高耶さんに聞いて下さい。
きっと恥ずかしがって教えてはくれないでしょうけどね。
それにしても、高耶さんの新米CA姿、ぜひ拝んでみたいものですね。
ドジっ子CAの高耶さんが目に浮かぶようです。
それでは皆さん、SAL航空機内でまたお会いしましょう。
お相手は、あなたの恋の特別顧問、直江信綱でした。
●あとがき●
裏四国は飛行機乗り入れてないはずですが、その辺の事情はスルーということで。
しかし、こんな飛行機、絶対乗りたくねぇ…いや…乗りたいです。
仰木機長がストリップするというなら、どんな危険な着陸も辞さない覚悟で!
因みに、ミラージュ・ストリーム、私はニ●動で聞きました。楽しすぎです。