日本的な風情溢れる鳥取島根の旅において、唯一の洋モノが「ルイス・C.ティファニー庭園美術館」。

ルイス・C.ティファニーが制作したステンドグラス、家具、宝飾品などを展示する美術館とイングリッシュガーデンが一体となった、ちと洒落た感じの複合美術館です。
ティファニー庭園美術館は松江駅前からバスで20分程度。宍道湖の北側に位置しています。

バスもレトロな感じでいい雰囲気です。
車窓から眺める宍道湖大橋。

バスが通っているのは松江大橋。
バスは橋を渡ると宍道湖の北側を進みます。

輝く湖面に浮ぶ船は、宍道湖名物のしじみでも採っているのでしょうか。
ティファニー庭園美術館入口。

2001年にオープンしたばかりのこの美術館は、日本美術が西洋文化に与えた影響(ジャポニスム)を世界で初めて体系的に紹介した美術館なのだとか。

そういう意味で、ティファニーの芸術作品を集めた美術館が日本にあるのは納得できますが、何故松江???謎です。土地が安いからでしょうか?(笑)
エントランス。

ルイス・C.ティファニーは、ニューヨーク5番街にあるかの有名な宝飾店「ティファニー&カンパニー」の二代目。しかし家業は継がず、インテリアデザインやステンドグラスの領域に進み、特に、特許を得た「ファブリル」というガラスの発明において美術界、商業界の両方で成功を果たした、、、のだそうな。
エントランスの内側から外側に向けて。

外は田んぼの広がる田舎です。

装飾芸術の美術館だけあって、細部まで凝った作りになっています。
水自体が持つ美しさを引き出す水盤。
白壁は、西洋的な陽光と色彩を引き出す必須アイテムなのでしょうか。
ヨーロピアンな曲線美。
何気なく置かれた壺。
洋の東西を問わず、水のある庭はやはりいいものですね。
木陰にそよぐ青い花。
陽に照らされたブーゲンビリア。
競い咲き。
光と影。
白壁にピンクの薔薇を這わせたロマンチックなアーチ。
展示してある作品が一流なら、庭も建物もそこに漂う空気も全てが一流。実に洗練されたミュージアムでした。ヨーロッパではそれが当たり前なのかもしれませんね。行ったことないですが。

美術館内部は照明や配置なども非常に凝っていて、そこには足音を立てるのも憚れるほど研ぎ澄まされた空間がありました。その空気をも鑑賞するのが美術館の楽しみ方だと思います。・・・しかし、残念だったのは心無いオジサンオバサンの多いこと。数人でぞろぞろ入ってきてピーチクパーチク。非常に悲しかったです。美術館内ではバッグに付けた鈴は外して欲しいです。多分ですが・・・この美術館が東京にあったらそんなに鑑賞客のマナーが悪いことはなかったと思います。
美術館入口。

ドアが美しいです。ドアに映る庭の光も美しいです。
そして、ドアの向こうに広がる空間もまた美しい。
美術館の入口。ここからチケットを求めます。2000円と結構高価なチケットですが、如何にも金がかかっていそうな美術館なのでそんな額も納得です。
ミュージアムショップを見るのも美術館のひとつの楽しみですね。
パン屋さん。その奥にはカフェもありました。

見終わったらここのカフェでケーキを食べるぞーと思っていたのですが、あまりにゆっくり見過ぎたため、いざ見終わったら既にオーダーストップになっていました(涙)。このままでは気が済まず、帰りに松江市内のカラコロ工房内にあるカフェに寄りました(笑)(→「食」ページ参照)。
これより先は美術館展示室に入るので残念ながら撮影禁止です。

ティファニーと言ったらやっぱりテーブルランプでしょうか?よく「なんでも鑑定団」で偽物が出てくるやつですね(笑)。もちろんこの美術館にも傑作が展示されています。しかし私が一番目を見張ったのはアートジュエリーでした。その精緻な造形美にはため息が出ます。

ここでは作品紹介はできませんが、松江に行く機会があったら是非一度この美術館を訪れてみて下さい。
休憩室。

海を眺めながら静かに瞑想に浸れそうです。
ガラス越しの海。

床に落ちる長い影がまた趣き深いです。
陽の当たる廊下。

天井が高いって気持ち良いですね。
イングリッシュガーデン。

チャペルのある風景一。
チャペルのある風景二。
チャペルのある風景三。
チャペルとステンドグラス。

このチャペルの窓にもティファニーのステンドグラスがはめ込まれています。
庭園内に置かれた日時計。
イングリッシュガーデン内の池。

妖精神話の伝わる英国の自然ってこんな感じなのかなと。
松江のティファニー美術館も素敵でしたが、今度は本物のヨーロッパに行きたいです(笑)。