出立

「K1本」




2002年9月16日、きちんとした計画も立てぬままの旅立ちに一抹の不安を抱えながら・・・
というのは嘘で、
テキトーにどうにかなるだろうという壮大なポリシー?の下に遊丸さんは自宅を後にしました。



成田空港はとても混雑していました。特に出国が多かった訳ではなく、テロ警戒の影響らしく。長蛇の列ができていて、「何だ何だ」と思ったら搭乗の際の安全検査。どうやらめっちゃ厳しく取り締まっている模様。
ここでふと思い出す遊丸さん。ナイフはどの鞄に入れたっけ?(汗)。手荷物の中に入れてしまったような気がするのは気のせいでしょうか?(滝汗)。まあ小さいナイフだし、化粧ポーチの中に色んなものと一緒にごちゃごちゃ入ってるからわからんでしょ?

と思ってたら大間違い。X線画像を睨んでいる男性職員が小声で隣の女性職員に告げました。「K1本」。女性職員がそのまた隣にいる別の女性職員に告げ・・・「K1本」、「K1本」、「K1本」・・・。

Kって・・knifeのKじゃんかーー!!

他の人が荷物を受け取ってすいすい先へ進む中、一人引き止められ、荷物を開けさせられる遊丸さん。ごめんなさいごめんなさい違うんです違うんです。

私、テロリストじゃありませんから!(泣)

いや、誰もテロリストだとは思っちゃいないでしょうけれども(笑)。空港の女性職員は極めて落ち着いた態度で「機内持込制限品収納袋」を持ち出し、手際良くナイフを預ける手続きをしてくれました。

しかし、化粧道具等と一緒に乱雑に入れてある中から小さなナイフ1本をも見逃さなかったというのはすごいです。安全管理が行き届いているということですね。てか、迷惑かけてんじゃねえよって感じですか、ごめんなさい。
 





今回乗ったのは中国東方航空。飛行機はなかなかダサくて、しかもボロい。安いことだけが取り得でしょうか。スチュワーデスさんにも日本語はほとんど通じません。

最初のドリンクサービスで、遊丸さんが中国語でパイナップルジュースを指名すると、隣の席に座っていた日本人と思しきナイスガイが終に遊丸さんをナンパ(笑)。

ジャパニーズナイスガイ「中国語喋れるんですか!?」

ええちょっとは。向こうに留学してましたから。観光ですか?お一人で?中国は初めてで?あ、お友達が向こうで留学中?それはそれは。

ジャパニーズナイスガイ「どのくらい向こうにいらしたんですか?」

四年間です。

ジャパニーズナイスガイ「え?今、いくつですか?

あはははは。にじゅうピー歳です。

ジャパニーズナイスガイ「ええ!?自分、今22なんですけど、タメくらいかなと思ってたのに!」

あはははは。ありがとさん。じゃあ22で通そうかなこれから(無理)。





中国の大地を機内からパチリ。飛行場近辺の北京市内からは少し離れたやや田舎じみた風景です。

中国の本当の田舎の風景は実に壮大で情緒に富んでいます。昔、北京からずっと南の広州まで列車で2泊3日かけて行ったこともありますが、田園、田園、村、田園・・・ずっとその繰り返し。とにかく大陸は壮大。

乾いていて、逞しい。

以前、高村薫さんの『李歐』を読みましたが、如何にもその李歐を育んだ大陸の大地といった感じがします。








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