胡同游

「宦官です、宦官・・・」




北京に都が置かれたのは700年も歴史を遡る元代。そんな古い都の風情を肌で感じられるのが「胡同(hu2 tong0 フートン、日本で言う路地、小道)」です。
最近ではオリンピック開催も影響してか、この古めかしい胡同が所々で壊され始めています。しかし、それと同時に古い文化を大切にしようという動きもあるようで、「胡同游」という胡同巡りのツアーを組む観光会社までできています。特に外国人に人気で、英語や日本語を話せるガイドさんもいます。遊丸も三輪車に乗って回ってきましたです。

「胡同」は狭い路地を指します。
北京の古い住居は「四合院」という、中庭を挟んで四つの建物からなるスタイルをとっています。庭が真ん中にあり、周りに建物を配しているので、ひとつひとつの住居は壁に囲まれた閉鎖的な空間になります。そういった家々の間を縫うように張り巡らされている路が「胡同」です。







左が自転車漕ぎ職人?のおっちゃんで、右が日本語ガイドのおっちゃん。
ツアーと言っても日本人ガイドをお願いしたのはこの日は私一人でしたが。
んで、このガイドのおっちゃん、まだ実習生だそうで。日本に住んでいたのは一年だけという割には日本語は上手だと思うのですが・・普通の日本人ならきっと通じないと思います;;私は「中国人はどういう風に日本語を間違えるか」というのがある程度予想できるので解かりましたが。ツアーの間、おっちゃんは日本語で、私は中国語で会話してました。傍から見たらすげー変です、きっと(笑)。
写真のっけて良かったのかな?ごめんねおっちゃん。








このツアー観光にはいくつかの観光地見学が組み込まれています。百メートルほど離れて対のように建っている「鐘楼」と「鼓楼」もその一つです。昔、時を告げるのに利用されていたとか。左の写真は鐘楼。中央は鼓楼を登る階段。右は鼓楼の中。特に面白くはないかと・・。








このツアーで唯一価値があると思われるのは古い民家の中を見せてくれるところです。これはツアーでないと体験できないですから。この辺りのいくつかの民家が観光会社と契約を交わしていて、コンダクターがその都度、都合の良さそうな家を探して訪問します。左の写真はおっちゃんがチャイムを鳴らしているところ。








入らせてもらった民家の中庭にて。瓢箪がまた趣き深いです。右の写真は家のご主人。今は退職して静かに暮らしているそうですが、以前は考古学関連のお仕事をしていたとか。考古学と言っても発掘された文物の化学成分を分析するお仕事だそうで・・考古学者というより化学者なんだそうです。とっても人当たりの良いご主人でした。昔気質の北京人はとても礼儀正しい人が多いみたいです。








おじさんの家の中。この猫さんは何ともう19年も生きているんだそうです。とても小さいから、一見したところ子猫かな・・なんて思ったんですが・・。
壁に掛けてある時計や、机、椅子などの調度品はなんと清朝時代のものだそうです。激動の時代を通り抜けて存在しているんだなあと思うと感慨深いものがあります。おじさんの生活の一部としてこの家に溶け込んでいますが、アンティークショップに置かれていたら相当の値が貼られること間違いありません・・。隣に冷蔵庫が置いてあるのがまた何とも・・生活感が漂っています。







恭王府。清朝乾隆帝の寵臣、和●(「わしん」、「●」は「王」ヘンに「申」の字)の私邸。賄賂等によって莫大な私財を蓄えたとか。後に自決させられたそうで。完全に観光地化していて人ばっかで全然面白くありません;;

この和●、宦官だったらしいのですが、ガイドのおっちゃん日本語で宦官って何て言うのか判らなくて私に聞いていました。しかし何度教えても忘れてしまい、私は何度も何度も「カンガン、カ・ン・ガ・ン・・」と繰り返した覚えがあります。おっちゃんの中で、私は「宦官」という単語を教えた日本人として記憶に残るのでしょうか・・・?








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