故宮一

「王道」




天安門を過ぎると端門という門があります。この門を抜けて更に真っ直ぐ進むとようやく故宮の入口・午門に着くわけです。







端門から午門の距離を利用して様々な商売が繰り広げられています。普通のおみやげやさんはもちろん、コスプレ屋さん?も。値段はいくらかかるのか知りませんが、皇帝や王妃のコスプレ体験ができます。写真を撮るためにセットまできちんと用意してあります。左の写真に写っているような小さな子供まで・・。







故宮の入口・午門。何故か自動車道が横たわっています;;。ここから先はチケットが無くては入れません。入場料は60元(日本円にして900円くらい)、月収1000元〜2000元台の人が多い北京ではちょっとしたお金です。左下の写真中央に見える小さな小屋がチケット売り場。ここで物乞いをしていたお爺さんが印象的でした。外国人と見かけると「謝謝(シエシエ)」と言いながら手を出します。お金を下さいという意味です。私は貧乏に見えたのか、あまりしつこくされませんでしたが、私の前に並んでた西洋人(一目で外人と判りますしね)にはしつこく「アローアロー(helloのつもりらしい)」と手を出していました。「判った上げるから、でも ticket first」と外人さんは言っていましたが、後で本当にお金を上げたのかどうかは知りません。このお爺さんが物乞いをしている根本的な原因が社会にあるのかそれとも個人にあるのか私には知る由も無いですし、また本当に困っているのか或いはそう見せているだけなのかも判りません。ただ言えるのは、壁の内と外では、今も昔も同じように隔たりがあるのだなあと、ちょっと考えてしまいました。







午門をくぐると、最初に現れるのは「金水橋」と「太和門」。故宮内を流れる水路に美しい5本の橋がかかっています。壮大な空間と相まって華麗ながらも荘厳な趣きがあります。







「太和門」を抜けるとかつての皇帝が重要な儀式を執り行った「太和殿」があります。何でも中国の木造建築の中では最大規模なのだとか。







太和殿いろいろ。上の写真は太和殿から「太和門」を振り返って見た写真。この広場に昔は臣下がぎっしりと並んで皇帝に謁見していたわけですね。中央の坂になっている部分は判りづらいですが、雲と龍が彫られていて、皇帝専用の階段なのだそうです。下段右の写真は太和殿の中の玉座。補修中でした;;。オリンピックを控えて北京では今から色んな所で大工事を行っていますが、故宮も例外ではないらしく、あちこちで補修中の建物や資材を運ぶリヤカーを見ました。







太和殿のすぐ後ろ(北)に位置する「中和殿」。皇帝が儀式を行うために太和殿に向かう際の休憩所だとか。休憩の際にここで臣下たちの朝拝を受けたそうです。それにしても・・休憩所でこれですかい。







中和殿の後ろに位置する「保和殿」。この中で大晦日の宴や科挙(昔の中国の官吏登用制度)の殿試(最高試験、皇帝との面接)が行われていたそうです。下断左の写真は保和殿の中の玉座。下段右は保和殿背後から先(北)を見下ろした写真(所々補修中でした;;)。太和殿からこの保和殿までは政治を司る大臣たちが出入りする「外朝」であるのに対し、ここから先の小宮殿群は皇帝の私生活の場、つまり皇后や王妃たちの住む「内廷」になります。いやぁ、勉強になります、私が(ガイドブックの受け売り/笑)。







内廷の後宮群は数多ありますが、中央を貫いて建っているのは内廷の正門となる「乾清門」、皇帝の日常生活の場であり皇族の宴なども催された「乾清殿」、皇后が祝日に朝賀を受けた「交泰殿」、皇后の正殿である「坤寧宮」。この写真は交泰殿。右の写真は交泰殿の中に置かれた皇后の玉座。上部の額には「無為」と書かれています(右から読む)。女であり妻である皇后は皇帝の後ろに控えて政事には干渉しませんという儒教的な婦徳の精神を表しているものと思われます(違ってたら御免)。西太后の時にも掲げられていたのでしょうか?(笑)
私は今回、後宮部分は真っ直ぐに通らず脇の小宮殿群をうろうろしたので、交泰殿しか写してなかったようです。それは良いとしても、先の保和殿にしろこの交泰殿にしろ、何故に宮殿の全体を撮っていないのでしょうか?これ以上後ろにさがれなかったとか?謎。小宮殿群は別ページでご紹介。







故宮の北端「神武門」という名前は有名ではないですが、この「故宮博物院」の額が掛かった門の姿は結構知られてますね。出口前の駐車場は観光バスでいっぱいです。ツアー観光客はこのままバスに乗ってまたどこか別の観光地へ直行するのでしょう。右の写真は故宮の堀。出口から北東側。稀に釣をしている人も見られます。








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